オペレーションビジネス: 非資源分野の海外プロジェクト ―事業オペレーターとしての総合商社の役割


「総合商社」と聞いてどのようなビジネスが思い浮かぶだろうか?
よく、「ラーメンからミサイルまで」といわれているように、一般的に「総合商社」というと、バリューチェーンの川上から川下まで、仲介業者として物流関与する事業者であると理解されている。また、昨今の業績から、資源・エネルギーに偏った経営をしているとイメージされることも多い。しかし、多様化しているビジネスの中で、総合商社は 「事業運営者」へと業態を変化させてきており、当会の2010・2011年度特別研究事業「総合商社原論特別研究会」でも、現在の総合商社の姿を「総合事業運営・事業投資会社」と位置付けた。

最近の総合商社の事業には、原材料の輸入、設備の輸出といったTradingから始まり、権益の確保、市場の需給動向などいろいろな要因から投資を行い、100%あるいは過半数の株式を保有し、オペレーターとして事業運営に関わるビジネスモデルが多く見られる。資源・エネルギーといった巨額の投資が要求されるプロジェクトでは、マイナー・シェアにとどまるが、非資源分野では過半数を超える投資も可能である。

今回の特集では、総合商社が100%出資もしくはマジョリティ・シェアを保有する「非資源ビジネス」、中でも総合商社が主体的に事業運営に関わる海外プロジェクトに焦点を当て、その代表的な案件について、事業運営の第一線で活躍されている方々に、事業の現状と課題、商社ビジネスが「 物流仲介業者」から「事業オペレーター」に変化、展開していった経緯を伺った。本特集を通じて、総合商社の持つ「事業運営者」としてのファンクションについて理解を深めていただけると幸いである。

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