第13回 FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)[秋]

日本繊維輸入組合 日本繊維輸入組合のサステナビリティ活動について


ブースの様子
(FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)2022[秋]内 第2回サステナブル ファッションEXPO[秋]に出展)

当組合の委員会の一つであるホームテキスタイル委員会企業が、サステナブル製品を紹介する場として同展に参加した。

当組合は、経済産業省所管の輸出入取引法に基づき1972年に設立された公共的性格を持つ非営利団体で、わが国唯一の繊維貿易団体として、これまでも繊維業界のCSR関連活動を推進し、時勢に沿ったテーマで取り組みを強化してきた。2002年12月に経産省の繊維製品リサイクル推進会議(繊維製品3R推進会議に名称変更)の委員として当組合から貿易制度専門委員会(当時)委員長、日本貿易会から商社繊維連絡会実務委員会委員長が参加し、共同で事業を実施。いわき市のNPO法人ザ・ピープルへの衣料品回収ボックスの提供などを通じた協力の他、豪州など海外での衣料品3R調査を行い、結果を「繊維製品3R推進会議」に報告してきた。2018年6月、繊維産業全体で外国人技能実習に係る法令違反を根絶するため、経産省と日本繊維産業連盟を共同事務局とする「繊維産業技能実習協議会」に参画、「繊維産業における外国人技能実習の適正な実施等のための取組」を継続している。2022年9月、日本繊維産業連盟主導により、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえ、ILO協力の下、「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」の策定に参画した。委員会活動においては、黄麻(注)製品委員会(2019年に解散)、CSR委員会(旧称:技能実習および取引適正化推進委員会)にてサステナビリティ関連活動を進めてきた。

ホームテキスタイル委員会ではこれまでにジャパンテックス、インテリアライフスタイル、環境広場さっぽろ、ニューアースなどの展示会に出展し、リサイクル・カーペットや屋上緑化商材等の紹介の他、海外来場者向けに「インテリア・ビジネス・セミナー」を実施。今回の展示会では委員会企業3社のホームファニシングを中心としたサステナブル関連製品を紹介した。

注… 黄麻(ジュート)とは格子状の織りで、粗い質感を持つ植物由来の天然繊維。麻袋やバッグ、カーテン、家具、アクセサリーなど幅広いアイテムに使用される。

現場の声

日本繊維輸入組合
専務理事 森 昇氏

サステナビリティの機運が急激に高まっている中で、EPAなど貿易制度への対応が中心の貿易団体である当組合も変化に対応せざるを得ない状況にあります。繊維業界におけるサステナビリティは環境への配慮を含むトレーサビリティに加え、生産に関係する人々の人権にも対応する必要があります。以前よりも個社ごとに課題が多様化、細分化され、業界共通のニーズを抽出するのに難しさはありますが、組合員企業が、繊維業界で策定した人権・企業行動・取引適正化などのガイドラインに沿った行動がとれるように、セミナーや説明会を通じて、細やかな対応を心掛けつつ、日々組合員企業のお役に立てるよう取り組むとともに繊維業界全体へのサポートができればと考えています。繊維業界は人権や3Rに加え、環境負荷・有害物質、さらにカーボンニュートラルに向けた取り組みなど、解決しなければならない課題が山積していますが、繊維業界の一層の活性化と発展に寄与するために、組合としての役割を深めていきたいと思います。

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