第13回 FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)[秋]

豊田通商株式会社 循環型再生素材、COTTON∞の取り組み


ブースの様子(豊田通商グループ)
(FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)2022[秋]内 第2回サステナブル ファッションEXPO[秋]に出展)


ブースの様子(COTTON∞)
(FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)2022[秋]内 第2回サステナブル ファッションEXPO[秋]に出展)


当社は循環型再生素材とCOTTON∞(コットンエイト)の取り組みを2ブースで紹介した。

循環型再生素材のブースでは、繊維to繊維リサイクルポリエステル、裁断くずなどを反毛、紡績したアップサイクルコットン、エアバッグの製造時に生じた端材から作られた高品質リサイクルナイロン素材アブソループ(ABSSOLOOP)、米国BUREO社と提携して回収する廃漁網を原料としたリサイクルナイロン素材NetPlus®等を紹介した。NetPlus®は当社が20年以上生地を供給している米国Patagonia社に採用され、トレーサビリティを含めたサプライチェーンマネジメントも当社が担っている。

もう一つのブースで紹介したCOTTON∞は、フェアトレードコットンの普及を通じて持続可能な社会を作ることを目的としたソーシャルグッドプロジェクト。使用する糸にフェアトレードコットンを8%以上混入する取り組みであり、ブランド名には「8%」から始める「∞(無限大)」の可能性への期待が込められている。フェアトレードコットンの普及活動や生産者の労働環境改善だけでなく、生産者が暮らすコミュニティの形成を支援し、環境に配慮した持続可能な社会の実現に貢献することを目指している。


NetPlus®を使ったパタゴニアのダウンジャケット


COTTON∞のメインビジュアル。
さまざまな素材の古着が埋め込まれた多様性を象徴するデザインとなっている。


展示会場内の特別講演「パタゴニア・豊田通商と協業するBureo Inc,.の漁網再生事業について」の様子


アブソループの展示の様子

現場の声

豊田通商株式会社
食料・生活産業本部 繊維事業部 繊維企画グループ 課長補 鬼形 智英 氏


入社から一貫して繊維事業に従事し、直近ではサステナビリティの取り組みに注力する中で、時代が大きく変わったことを実感しています。
社会課題解決のためサーキュラリティを実現する機運が高まったことで、さまざまな企業が業態の垣根を越えて提携する機会も増えています。サプライチェーンがサステナビリティという一つの目的に向かって集まり、輪になって大きな渦を作っていくような気がしています。新型コロナウイルス感染症の流行が人の感性や思考の転換点になったのではないでしょうか。われわれ商社はあらゆるバリューをつなぎ、ビジネスを磨き上げることを得意としています。新しいビジネスを作り上げる過程で仕事を超えた人間関係を築き、強固な信頼関係のもと、商社らしさを活かしてこの事業を持続可能な社会へとつなげていきたいと思います。2050年までに廃棄される全ての衣料品が再び衣料品として生まれ変わる機会と未来を創ることを目標に、アパレル業界の課題解決に取り組んでいきます。

豊田通商株式会社
食料・生活産業本部 繊維事業部 繊維企画グループ 吉川 響 氏


COTTON∞のリブランディングのタイミングで担当になり3年がたちました。繊維素材や製品をお客さまに採用していただくためには機能性やデザインの特徴をアピールポイントとすることが多いのですが、フェアトレードコットンの場合、プロジェクトの理念に共感していただくことを突破口としなければならず、サステナビリティを商品の特性として販売していくことに難しさを感じることもあります。企業や生活者の皆さまにフェアトレードコットンを理解、共感していただける仕組みをどのように作るか、常にアイデアを練っています。新しい取り組みには課題がつきものですが、社内外を巻き込んで事業を成功に導けるよう、まずは自らが前向きに仕事を楽しみ、その熱量を周りに伝えることを大切にしています。フェアトレードコットンの認知度を高め、より多くのお客さまにお取り扱いいただけるよう、日々努力を重ねていきたいと考えています。

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