展示紹介 第14回 オートモーティブ ワールド クルマの先端技術展     第36回 ネプコン ジャパン エレクトロニクス開発・実装展

西華産業株式会社 3D IC& Micro Electro Mechanical Systems(MEMS)
プロトタイプ試作・受託少量生産サービス


ブースの様子(ネプコン ジャパン内 第23回半導体・センサ パッケージング技術展に出展)

当社は、東北マイクロテック株式会社の代理店として、半導体ウエハー三次元実装受託加工サービスを紹介した。これまで精密機器などに搭載されてきた半導体の集合体であるシステム大規模集積回路(LSI)は、メモリや演算回路などの回路ブロックを配線で平面につなぎ合わせることで機能してきたが、機器の性能向上によりシステムLSIの高密度化が問題になっていた。当社が紹介したシステムLSIは、半導体チップを縦に積み重ねることで、短い貫通配線を多数用いて回路ブロック間を接続することにより、システムLSI本体の小型化による省スペース化、データ処理速度の高速化、エネルギーの効率化を実現した。この技術をエッジAI(注1)に用いると、従来であればAIチップが1,000枚必要なところを、サイクリック学習(注2)によりわずか4枚で完結可能になる。自動車電動化におけるADAS(注3)では、この技術の特徴である情報処理スピードを活かして瞬時の判断が必要な障害物検知にも貢献する。最先端の三次元実装回路の製造は、試作品からスタートするため機械の発注、製作自体に時間がかかる上、1台数億円のコストがかかるが、プロトタイプ試作開発受託サービスを提供することにより、半導体メーカーの開発負担を低減し、技術革新を促す。当社が培ってきた国内外のネットワークを活かして、日本の半導体ビジネス発展のために寄与していく。


3D ICを使用したシステムLSIとAIチップモデル(4枚の丸い板状のもの、それぞれの厚さは1mmに満たないほど薄い)


実際に展示されたサイクリック学習機能を有する超低電力AIチップ。左にある小さなチップ4辺が積み重なることで4層積層AIチップとなる。写真右図のニューロチップは神経を意味し、配線を使ってメモリチップの間をデータが行き来することによってサイクリック学習が可能となる。


現場の声


西華産業株式会社
電子・計測機器部 部長代理 兼 第二課長
浅田 隆明氏


商社ビジネスの面白さは、当たり前のように存在するものの見方を変えて、ビジネスを自分で仕掛けられるところにあります。グローバルな視野で産業を見て知見を蓄積し、分野の異なるお客さまのニーズを発掘し、さらなる次のビジネスを生み出します。アイデアもビジネスも尽きないのが商社パーソンです。だからこそお客さまから信頼され、ビジネス領域が拡大していくものだと考えています。半導体製造分野は常に進化を求められるため、メーカーは新しい製品を研究・開発し続けることが非常に重要で、走ることを止めたら負けてしまう厳しい世界です。今私たちの手元にある電子機器の数々は、一個一個の部品を生み出す人たちの知恵と工夫が積み重なって小型化、軽量化した技術の結晶です。半導体市場では外国企業の存在感が大きくなっていますが、日本で存在感を放っている半導体メーカーは世界シェアを取れるポテンシャルを持っています。当社の国内外のネットワークを使って、日本製の半導体産業を下支えながら一緒に走り続け、われわれもビジネスを進化させていきたいと考えています。私共の提案でお客さまのコストダウンや技術の革新に貢献できたとき、本当にやっていて良かったと思います。日本の良い技術が海外から外資を引き付け、一大事業を生み出せるよう、これからも尽力していきます。

注1…コンピュータネットワークにおける人間側の末端装置を指す。スマートフォンや車、カメラなどのIoTデバイスのこと。
注2…ニューロンとメモリの間を信号が行き来することによってAIの学習効率を向上させる技術のこと。
注3…先進運転支援システム(Advanced Driver-Assistance System)のこと。ドライバーの安全・快適な運転のために自動車自体が周囲の情報を把握し、ドライバーに指示や警告を行い、自動車の制御など運転支援をする。

東北マイクロテック株式会社 公式ウェブサイト:http://www.t-microtec.com/category/1734512.html

次ページ:長瀬産業株式会社 次世代モビリティにおける 電動化・自動運転化・In Cabinデジタル化 ソリューション

展示紹介 第14回 オートモーティブ ワールド クルマの先端技術展     第36回 ネプコン ジャパン エレクトロニクス開発・実装展 誌面のダウンロードはこちら