展示紹介 第14回 オートモーティブ ワールド クルマの先端技術展     第36回 ネプコン ジャパン エレクトロニクス開発・実装展

兼松株式会社 物流企業におけるCO2削減と物流 効率改善の実現


ブースの様子(オートモーティブ ワールド内 第10回コネクティッド・カーEXPOに出展)

当社は、2021年2月に兼松グループとなった株式会社データ・テックと共同で出展し、独自の機能を持つ車載端末とそのサービスを紹介した。データ・テックが開発したセイフティレコーダと呼ばれる車載端末は、法定3要素である速度、距離、時間とGPSなどさまざまなセンサー情報を複合して計測データから安全運転の挙動解析を行う多機能デジタルタコグラフ(注1)である。国内では事故率を最大50%削減し、燃料消費率を最大10%向上させた実績を持ち、高度なロジックで運転の優劣を点数化できるデバイスとして評価が高い。さらにLow Power Wide Area-network(LPWA、注2)を使用して車両の動態管理を行い、コストメリットも取り入れたサービスを開始予定である。3年前から環境省「コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業」の一環としてインドネシアで実証実験を行い、最終年となる2021年度にはインドネシア国営石油会社プルタミナと共同で実証実験を行うことで合意した。脱炭素化による環境への貢献と安全・安心な社会の実現のため、データ・テックと共に車両走行データの利活用と国内外でのビジネス展開を加速させていく。


挙動解析の様子①
グラフの横軸がブレーキ開始速度、縦軸がブレーキをかける強さを表す。黄色の領域にある赤い点が危険運転に当たるデータ


挙動解析の様子②
ブレーキや右左折など5項目で運転技術が点数化される


東京大学とは事故と危険運転の相関を取り、事故予兆を共同研究


セイフティレコーダの展示の様子。ドライブレコーダーとも連携


現場の声

兼松株式会社 車両・航空統括室
次世代モビリティ事業開発課 石田 拓也氏


次世代モビリティ事業開発課は2021年4月に組織化されました。お客さまの声がよく聞こえる現場で、お客さまに興味を持っていただけることがモチベーションとなり、無我夢中で業務に当たっています。この新規プロジェクトに携わる前の5年間は車両関係の部品輸出を担当し、海外のお客さまと日本のメーカーの間に立ちながらプロジェクトマネジメントを行ってきました。お客さまの期待値と自分たちの実力との間には必ずギャップがあり、ギャップを埋めるソリューションを見つけることこそが仕事であると学びました。この新規プロジェクトでもその経験が活きています。安全・安心な社会の実現のために世の中から求められているニーズには、運転する個人の要因に加えて、環境の要因も捉えることで応えられると思います。大きなチャレンジですが、他企業とタイアップし、いち早くソリューションを積み上げたいと思っています。他企業と協力して事業を行う面白さは、目的を共有し、目標に向かう意思があるところに徐々に道が開けていく感覚にあります。何のために仕事をしているのか、会社を越えて皆で振り返り、たとえ意見は違っても同じゴールを目指して歩みを進めることが事業化の醍醐味であり、このプロジェクトも関係企業と一緒に必ず成功させたいと思います。

注1…車両に搭載されるデジタルの運行記録計のこと。略してデジタコと呼ばれる。なお、セイフティレコーダには映像を自動的に記録するドライブレコーダ機能も備える。
注2…従来よりも低消費電力、低コスト、広範囲のエリアで無線通信が可能なネットワークのこと。

プレスリリース「インドネシア国営石油会社プルタミナと脱炭素社会実現に向けた CO2削減と物流効率改善の共同実証を開始」 https://www.kanematsu.co.jp/press/
20211220_002798.html

株式会社データ・テック https://www.datatec.co.jp/                                                                 

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