展示紹介 第14回 オートモーティブ ワールド クルマの先端技術展     第36回 ネプコン ジャパン エレクトロニクス開発・実装展

CBC株式会社 ZnSサーマルレンズ(車載用遠赤外線レンズ)


ブースの様子(オートモーティブ ワールド内 第5回自動運転EXPOに出展)


当社は、住友電気工業株式会社の特約店として提携し販売を担っている車載用遠赤外線レンズを紹介した。これまで検温、監視用途で使用されることが多かった遠赤外線レンズを車載用のセンサーとして新しい切り口から提案した。遠赤外線カメラは悪天候でも先を見通すことが可能で、夜間など可視光での映像では捉えきれない状況下での検知を補完する。最大の特徴は、レンズに保護窓がない状態で車体に取り付けられる点にある。遠赤外線レンズはこれまでハウジングでレンズ本体を覆い保護しつつ、遠赤外線を透過するゲルマニウム製保護窓を取り付ける必要があったが、住友電気工業のコア技術である焼結ZnSレンズ(注1)を使用し、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)(注2)によるコーティングをレンズ前面に施すことによって、耐候性を格段に向上させた。ゲルマニウム不使用によるレアメタルフリーであり焼結技術により大量生産が可能になったことでコスト競争力を実現した。過密状態の車のグリル内で省スペース化を実現したことも高い評価につながっている。産業用レンズの当社ブランド「Computar」の販路開拓で培ってきたマーケティングのノウハウを活かして今後も販売を強化していく。


展示されたZnSサーマルレンズ


展示の様子
遠赤外線レンズに映った人は明るくくっきりと認識される
(液晶スクリーン中央付近)


ZnSサーマルレンズの特徴
※Geはゲルマニウムの元素記号


現場の声

CBC株式会社 インダストリアル オプティクス ディビジョン
グローバル セールス グループ 課長 門井 竜氏


入社以来、マシンビジョン(産業用レンズ)のメーカー部門一筋、21年目になります。北京の駐在から戻った2017年よりZnSサーマルレンズに携わっています。駐在時には現地で産業機械の自動化の波を経験しました。異文化コミュニケーションを通じてお客さまにわれわれを理解してもらいつつニーズを感知し、開発にフィードバックすることで、ビジネスを広げる経験ができました。本車載レンズはADAS(注3)技術の一つですが、軌道に乗るまでに非常に時間がかかります。まだ成熟している市場ではないため、プロジェクトは出ては消えを繰り返していますが、どこかのタイミングで世の中の流れに乗ることができればビジネスは広がるので、住友電気工業株式会社と一緒に根気よくマーケティング活動を行っています。メーカーの方と一緒にニーズに合った商品をつくり、お客さまに認めていただくことが私の仕事のやりがいです。商社の人間は一人一人が自らビジネスをつくっていくものだと思います。私が取り組んでいる事業が広がり、世の中の役に立ったときに私が手掛けたものだと想起してもらえるよう、商社パーソンとしての気概を持って日々取り組んでいます。

注1…粉末硫化亜鉛を用いた遠赤外線用レンズ。
注2…ダイヤモンドとグラファイト(黒鉛)の中間の特性を持つ硬くよく滑る材料。
注3…先進運転支援システム(Advanced Driver-Assistance System)のこと。ドライバーの安全・快適な運転のために自動車自体が周囲の情報を把握し、ドライバーに指示や警告を行い、自動車の制御など運転支援をする。

本製品紹介サイト
https://www.computar-global.com/jp/product/wide-angle/

産業用レンズ「Computar」公式サイト
https://www.computar-global.com/jp/

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