ASEAN特集 -より一層の関係強化と日ASEAN双方の成長に向けて-


ASEAN諸国は人口約 6億人の一大経済圏であり、わが国企業の投資先として注目される地域である。この数年は、中間層・富裕層の拡大によって消費市場としての存在感が急速に高まっており、投資業種も従来の製造業に加え、小売りや外食、金融などに広がっている。

また、ASEANは、わが国をはじめ、中国、韓国、インド、豪州・ニュージーランドとASEANプラス1の自由貿易協定(FTA)を2010年までに発効させており、これらを全て包含する東アジア地域包括経済連携協定(RCEP)の交渉も始まっている。このRCEPが実現すれば、人口約34億人を擁する世界最大規模の自由貿易地域が誕生することになる。

わが国とASEAN諸国との交流は歴史が古く、アジア地域の平和と安定、発展と繁栄のためになくてはならない関係にある。これを貿易・投資の面でみると、日ASEANの貿易総額は、2001年の13.2兆円から2012年の20.6兆円に拡大した。対ASEAN直接投資額残高も同様に2001年末の3.7兆円から2012年末の10.6兆円に増加しており、ビジネスパートナーとしてより緊密で強固な関係になってきていることが分かる。

2013年は交流40周年を迎えて各種の記念事業が実施されており、日ASEANの貿易・投資交流はますます盛んになっている。

本特集では、まず、日ASEAN関係と自由貿易の推進、マクロ面のASEAN経済の動向、企業活動からみたASEANの動向について概観し、日ASEAN交流40周年の取り組みや、商社の活動事例を紹介する。

本特集が、日ASEAN関係の将来展望を探る一助となれば幸いである。

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