年間特集「内なるグローバル化の推進」


ここ数年、日本経済はいわゆる「失われた20年」や「六重苦」から脱却し、成長路線を歩んでいくかに見えた時期が幾度かありました。しかし、現在のグローバル経済の下では、日本の描いた成長シナリオがそう簡単に実現していくわけではないことが多くの日本人に実感されていることと思います。また、50年後、100年後という超長期的観点から日本の将来を憂慮する意見も多く出されています。特に深刻な問題は何も手を打たなければ確実に進行していく人口減少と高齢化の問題です。この意味するところは消費市場の縮小、働き手の減少、経済活動の低迷が同時に進行していく、活力なき縮小社会です。

日本貿易会はこの超長期の社会問題から目を背けることなく、現在の日本が打つべき施策についてさまざまな角度から考察していきたいと思います。当会は貿易と投資を主な生業とする企業や団体の集まりで、「つなぐ世界、むすぶ心 ~新たな英知で世界に貢献~」をモットーに外国との意見交換や交流を積極的に推進していますので、世界と共に歩むことの重要性を日々痛感しています。そこで当会は日本の超長期的社会問題への一つの解は「内なるグローバル化の推進」にあると考え、当会関係者とさまざまな業界の有識者の皆さまに本誌を舞台に活発な議論を展開していただきたいと思います。

「内なるグローバル化」という言葉は耳慣れないという方も多いと思いますが、今月号を初回としてこれから1年間にわたり、毎月さまざまな方から本テーマに関するご意見を頂き、その内容を明らかにしてまいります。日本の取るべき施策について皆さまと共にじっくりと考えていく機会となれば幸いです。

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