商社とCSR


リーマン・ショック後の不安定な世界経済、地球規模の環境/資源問題、経済のグローバル化等を受け、社会の持続可能な発展を脅かす課題がこれまで以上に顕在化する中、「持続可能性」の概念が重要視されてきている。また、東日本大震災後、物資、資源の調達やサプライチェーンの再構築など、被災地ならびに日本全体の復興における企業の役割、企業が社会に対して果たすべき責任があらためて注目されている。さらに、2010年11月に発行されたISO26000(社会的責任に関する国際規格)にも示されているように、持続可能な社会の発展に向けて、あらゆる組織がそれぞれの社会的責任を認識し果たすべきであるとの考え方が世界的に広まっている。

企業においては、その経済活動が社会や環境に与える影響が大きいことを認識し、CSR(企業の社会的責任)の観点から事業活動に取り組むことが今まで以上に重要となっている。このような状況下、グローバルにかつ多分野にわたり事業を展開する商社においては、社会的責任を果たすことの重要性を認識し、その特性を活かし幅広いCSR活動が展開されている。

本企画においては、業界内外の視点から、企業を取り巻くCSR活動の現状と課題に焦点を当てることとした。

初めに、商社のCSRに対する取り組み姿勢や取り組み事例の一端をご紹介する目的から、大手総合商社のCSR担当役員にお集まりいただき、CSRへの取り組みや問題意識に関して議論いただいた。また、有識者の方々から、CSRの取り組みにおいて留意するポイントや、商社が取り組むべきCSRの在り方についてご示唆を頂き、さらにCSR先進企業より、同社のCSR取り組み事例をご紹介いただいた。

本特集が、商社におけるCSR推進の取り組みを広くご理解いただける機会となれば、また、商社のみならず、CSR推進に取り組む各企業ご担当者の方々への情報提供となれば幸いである。

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