エネルギー産業特集


エネルギーの安定供給を確保することはいずれの国においても国民生活と産業活動の両面で非常に重要な命題である。わが国においては一次エネルギーの自給率が約4%と大変低い水準にあり、ほとんどのエネルギー源を海外からの輸入に頼っているため、エネルギー安全保障はとりわけ重要な政策課題となっている。

エネルギー産業は環境問題とも密接に関係しており、最近は太陽光発電や風力発電など環境に配慮した代替エネルギー源の開発も積極化し、わが国におけるエネルギーの選択肢は着実に広がりを見せてきている。豊富な選択肢の中で中長期のエネルギーのベストミックスを考えていくことはわが国の産業政策にとって最も重要なプロセスの一つである。

また海外でも従来型の火力発電に加え、太陽光や風力を活用した新エネルギー源の開発が盛んに行われている。日本企業の供給するプラント、設備、機械類はその分野で非常に強い国際競争力を有しており、世界各地のエネルギー供給インフラで日本は大きな貢献を果たしている。

この特集では、まず国内のエネルギー情勢を概観し、商社が展開しているさまざまな国内事業を紹介する。次に電力を中心としたインフラシステム輸出の現状を分析し、世界各地で商社が行っている事例を示す。

本特集がわが国のエネルギー産業の将来を考える上で一助となれば幸いである。

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