「交通インフラ」特集


わが国が国際競争力を有する分野は数多くあるが、交通インフラ分野はその最たるものの一つであろう。機械類の高い技術水準、効率良くしっかりした建設技術、正確さと安全さが際立つ運行システムなど、世界最高水準を誇る。2014年に改訂された政府の日本再興戦略でも海外へのインフラシステム輸出を現状の10兆円から2020年には30兆円に拡大することを目指すとされている。

発展途上の段階にある国々では交通インフラの整備が不十分なことが経済成長の足かせとなっている例も多い。港湾、空港、鉄道などの交通インフラは旅客と貨物の両面で、当該地域の生活の利便性と産業効率を大きく向上させる非常に重要な地域密着型のビジネスである。また、官民連携が効果を大いに発揮する代表分野であり、わが国の産業政策における位置付けでも非常に重要なポジションを占めている。

この特集では、まずわが国の交通インフラ輸出促進策について概観するとともに輸出対象国の成長段階に合わせた輸出が必要であることを考察する。その上で、メーカーや商社の具体的な事例を紹介するものである。

本特集がわが国の交通インフラ輸出を考える上での一助となれば幸いである。

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