ミャンマーマンダレー国際空港の運営事業案件

三菱商事株式会社 交通インフラ事業部 旅客インフラ事業チーム課長
重森 洋介

三菱商事はこれまで空港を含めたインフラプロジェクトの建設・事業運営を多数手掛けており、本稿ではミャンマーマンダレー国際空港の運営事業案件について、ご紹介いたします。

1. ミャンマー マンダレー国際空港の運営事業案件

マンダレー国際空港は、ミャンマー第2の都市であるマンダレー市の中心部から南西約35kmに位置し、タイの借款によりタイ大手ゼネコンにて建設され、2000年9月17日に開港した空港です。

本件は、三菱商事、JALUX、ミャンマー大手民間企業グループであるSPAグループのYOMA DEVELOPMENT GROUP LIMITEDの3社合弁でミャンマー国内に設立した空港運営事業会社「MC-Jalux Airport Services Co.,Ltd.」が、ターミナルビルや滑走路などの空港関 連施設の補修改善、維持管理を含む、同空港の運営(航空管制など一部業務を除く)を行う案件であり、日本企業が海外において100%民間資本で取り組む初の空港事業民営化プロジェクトとなります。



2. 契約に至るまでの経緯

事業権契約締結に至るまでの経緯は以下の通りとなります。

2012年 9月 PQ発照
2013年 3月 入札発照
2013年 6月 応札
2013年 8月 優先交渉権取得
2013年 8月 -2014年 5月 交通省航空局(Department of C ivil Aviation)との事業権契約交渉
2014年 7月 ミャンマー政府閣議承認
2014年 10月 ミャンマー投資委員会承認取得
2014年 11月 事業権契約締結
2015年 4月 運営開始予定

3. 運営開始後の取り組み予定

4月に予定されている運営開始後、空港を利用する旅客ならびにエアラインに空港事業者として質の高いサービスを提供するとともに、ミャンマーの経済発展に貢献するべく、以下の取り組みを行う予定です。

(1)改修工事
同国際空港は開港より既に15年経過しております。これまで政府予算の制限等から、空港ターミナルならびにターミナルビル内設備に関し、適切な保守が行われておらず、老朽化が進んでおり、補修改善工事を行います。

(2)テナントの誘致
既存のテナントを受け入れた後、現在の空港ターミナルのレイアウトを見直し、新規テナントの誘致を行う予定です。

(3)職員トレーニング
既存の空港政府職員を受け入れ、同職員に対し、空港として重要な安全ならびにエアライン向けグランドハンドリングサービス、旅客サービス等についてトレーニングを実施いたします。

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