中東特集 拡大する中東市場と日本企業の関わり方


中東地域は、日本が輸入するエネルギー資源の8割を担う重要な地域であるが、若年層人口の急速な増加を背景に、消費財市場の拡大の他、交通、電力、造水等、さまざまなインフラ整備のニーズが増大し、「エネルギー資源供給の地域」としてだけではなく、「成長のポテンシャリティを備えた地域」としても注目されている。

中東産油国自身も資源依存型経済からの脱却を図るため、新たな産業の育成、雇用機会の創出など、経済構造の改革を進めており、日本企業の中東地域への進出も増加傾向にある。他方、中東地域は、「地政学リスクを抱える地域」として捉えられる場合もあり、進出企業の治安対策コストを高める要因にもつながっている。

こうしたさまざまな特徴を持つ現在の中東地域において、成長のポテンシャリティを取りこぼすことなく地政学リスクにも適切に対応しながらビジネスを着実に進めるには、どのような認識が必要とされるのか。また、成長が期待される中東市場と向き合う時に留意しなければならないポイント、中東諸国と日本とのさらなる関係強化を図る上で必要な取り組みとは何か。

本特集では、商社・日系機関の現地駐在員による座談会、中東地域の政治・経済・ビジネス状況に詳しい識者による寄稿・インタビュー記事を通じて、中東市場の成長のポテンシャリティ、中東地域と日本との関係強化のあり方などについての考察を紹介する。中東地域におけるビジネスの現在、将来を考える上で、本特集が中東市場への参入を試みる企業などの参考となれば幸いである。

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