2022年度 商社のサステナビリティ推進活動

3.地域および国際的な社会貢献・環境保全活動

伊藤忠商事

創業地である滋賀県向け外国語絵本寄贈を実施

当社は、創業地である滋賀県への地域貢献と次世代育成の活動として、滋賀県立図書館へ外国語絵本を寄贈する取り組みを2021年度より実施している。

滋賀県は、琵琶湖周辺の豊富な水源や都市部への交通利便性の高さを背景に、工業製品生産工場が集積しているため、外国籍労働者が多く暮らしている。一方で、外国にルーツのある子どもたちが楽しめる外国語の絵本が足りていない、という声が滋賀県立図書館から当社に寄せられた。そこで当社は、グローバルネットワークを活かし、世界各国の拠点から古典的な作品や人気の作品を厳選し、母語・年齢を問わず、全ての人々が楽しむことができる絵本を集め、2022年度は38ヵ国29言語749冊を寄贈した。

今後も海外拠点と協力し、滋賀県立図書館への外国語絵本寄贈を続けていく。


寄贈された38ヵ国29言語749冊の絵本(伊藤忠商事提供)


100冊以上を寄贈したベトナム会社ハノイ支店(伊藤忠商事提供)


住友商事


住友商事中国交換留学生奨学金


2023年3月 当社幹部との記念撮影
(住友商事提供)

当社は1996年に住友商事奨学金を設立し、中国の学生への支援を継続してきたが、その後の同国の目覚ましい経済発展に鑑み、より一層日中間の民間交流や友好の基盤を強化することが重要と考え、グローバルリーダーの育成を目的とした中国人留学生に対する奨学金プログラムを創設した。

2015年に本プログラムを開始して以来、50人を超える留学生を支援しており、往復渡航費と日本での生活費の支援に加え、留学開始前に中国住友商事の社員との交流の機会を設け、日本での生活についてアドバイスなどを行っている。日本滞在中は留学生を本社に招き、当社のビジネスや企業文化への理解を目的とした研修を実施している。また、研修の一環として、中国大使館への表敬訪問や、日本の大学との共同講座も実施するなど、学生の視野を広げ将来の進路を考えるヒントとなるような機会も提供している。参加した学生からは、「大学では学べない貴重な体験だった」「中日友好の懸け橋となるよう自分を高めていきたい」などの言葉が寄せられている。

当社は今後も、さまざまなプログラムを通じて次世代リーダーの育成を支援していく。


双日


荒川河川敷にて環境活動を実施


ごみ袋を並べ「双日」の文字を描き、参加者全員で記念撮影(双日提供)

当社は、2022年11月、NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム(ACF)の協力の下、グループ社員とその家族約50人が参加し、荒川河川敷(東大島駅付近)において環境活動を実施した。本活動は、流域で多くの人が生活する河川でのごみ拾いを通じ、社員のボランティア意識の向上を図るとともに、海ごみやマイクロプラスチック問題、生物多様性について考えてもらう機会として企画した。

膨大な量のペットボトルの他、ブラウン管テレビ、自転車、スーツケースなどのごみも散見され、また子どもたちが草とごみの間を歩くカニを何匹も見つけて大喜びする姿も見られた。参加者からは、「生態系への影響なども含め、新たな気付きを与えてもらい、勉強になった」「プラスチックを減らすこと、そして使う人のモラル、考え方も大切」といった感想が寄せられた。


豊田通商


PQS取得とワクチン保冷輸送車の寄贈

当社は、2021年3月、世界保健機関(WHO)が定める医療機材品質認証PQS(Performance,Quality,Safety)を取得した。途上国ではワクチンで予防可能な感染症により毎年150万人の子どもの命が奪われている。その一方で、ユニセフなどから供給されるワクチン供給量の約2割が適切な保冷輸送手段がないことから毎年廃棄されている。

当社は、トヨタ自動車株式会社、医療用冷蔵庫メーカーのB Medical Systems社と共に、適切な温度管理を可能としたワクチン保冷輸送車では世界で初めてPQSを取得し、世に送りだした。

2021年11月に10台をガーナ保健省、2022年にはGaviアライアンス経由でセネガル、ブルギナ、ニジェール、南スーダン、ケニアに寄贈し、走行試験を実施した。また、2022年にはチュニジア保健省と寄贈車両の現地走行試験に関するMOUを締結し、約6ヵ月間の走行試験で、有効性や導入可能性を検証中である。

今後も地域の安全と安心に貢献できる取り組みを続けていく。


ワクチン保冷輸送車(豊田通商提供)


三井物産

社会課題解決に向けた三井物産共創基金の立ち上げ

当社は、2023年3月、社会課題の解決に向けて三井物産共創基金を立ち上げた。本基金は、NPO・研究者・ソーシャルスタートアップ等の「イシューファインダー」から社会課題解決に向けた事業の提案を募集し、それらを助成する中で事業経験を有する当社の知見を掛け合わせて、課題解決の道筋を共創していくことを目的としている。

本基金は、1,000万円−1億円╱件の助成規模を目安とし、毎年2件を選定する予定である。当社は、世界中の国や地域における事業活動に加え、本基金の運営を通じて「志」を同じくする社会課題の挑戦者(=「イシューファインダー」)の皆さまと共創し、社会貢献活動の面からもサステナブルな社会の実現を目指す。

メタルワン

東京本社環境ボランティア(お台場海浜公園清掃)の実施

当社は、2003年の設立時よりさまざまな環境ボランティアを実施してきたが、2022年度は初めてお台場海浜公園での清掃活動を行った。

10月29日に当社およびグループ会社の役職員と家族42人が参加し、秋晴れの下、心地よい汗をかき、にぎやかに話しながらの楽しい清掃作業となった。観光名所でもあるお台場は管理が行き届いている印象だが、約2時間の作業でタバコの吸い殻やペットボトル、空き缶など90L入りの袋5個分のごみを収集した。私たちの身近にある海や川にもまだまだごみの投棄があり、結果的に海洋汚染にもつながっていることを改めて気付かされた。

当社は、脱炭素社会を迎えてますます重要性が高まる資源のリサイクルや地球環境保護の観点から、今後もSDGsを意識した環境ボランティア活動を展開していく方針だ。


当日のごみ拾いの様子(メタルワン提供)


参加者の集合写真(メタルワン提供)

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