2026年3・4月号(No.833)
豪州第3の都市、クイーンズランド州の州都ブリスベン。ブリスベン川を中心に設計された都市であり、面積は東京都の約7倍、人口は約5分の1。皆さんブリスベンについてどのようなイメージをお持ちでしょうか?私が2022年1月にブリスベンに赴任してはや4年。滞在中に感じたことを少し紹介したいと思います。
豪州国民のうち約半分は、親もしくは本人が海外出身という統計があります。まさに豪州は多民族・多文化の国といえます。欧州からの移民はもちろんのこと、北米、南米、アジア、アフリカと本当に世界中からの移民の方々が街中にあふれています。外から来た人間に対して寛容である一方、こちらもさまざまなバックグラウンドを持った方がいることを理解するのが重要だと常日頃感じながら生活しています。
また、移民の方が多いことから各国の本格的な料理が楽しめることも魅力の一つです。オージービーフのステーキだけでなく、イタリアン、中華、タイ、ギリシャなど日替わりで各国の料理を楽しむことができます。
豪州人といえば、小さいことは気にしないNo Worries 精神。デリバリーが予定通りに来なかったり、予約していたサービスが時間通りに来なかったり、滞在当初はいろいろと不便に感じることも多かったですが、滞在4年にもなるとそういった部分にも慣れてしまい、おおらかな国民性と割り切れるようになりました。一方で、しっかりやるときはやる、といったギャップも魅力です。仕事で付き合う方々は皆プロフェッショナル。かなり短納期の依頼をすることもしばしばありますが、そういうときは土日構わず仕事をして納期に間に合わせる、といった一面もあります。
ブリスベンに来て働き方について感じたこととして、まずはオンオフがはっきりしているということです。現地企業の方々は短時間で集中して仕事をします。夜遅くまで残業をする文化もないので、子どもの学校の送り迎えは母親だけでなく父親が行うことも多いです。金曜はオフィスに出社する人が少なくなり、街中で昼からビールを飲む人が多くなるのも独特な特徴だと思います。
また、長期休暇に対する寛容さについても最初は驚かされました。1週間や2週間の休暇は当たり前。1カ月以上の休暇を取る方も多くいます。担当者が長期休暇を取ったとしても、しっかり周りでカバーして業務に影響が出ないような仕組みがつくられています。
ブリスベンといえば、何といっても一年を通して温暖な気候。冬でも日中は20℃前後ありTシャツで過ごせます。温暖な気候のおかげか、街の人々にもどことなく余裕があり、時間がゆったりと流れています。また、街中に公園が数多くあり、休日定番の過ごし方は公園の芝生でのんびりピクニックやバーベキュー(ちなみに何でも短縮したがる豪州ではバービーといわれます)。人口密度も低く、ゆったり。
子ども2人を含む家族もブリスベン在住4年近くなりましたが、街全体がキッズフレンドリーでとても子育てしやすい環境です。公園の遊具も非常に充実しており、休日には家族で公園へ繰り出しのんびり過ごす生活が大のお気に入りになっています。
ブリスベンに来て驚いたことの一つに朝活人口の多さがあります。皆さん早朝からジムに行ったりランニングをしたり、一汗かいてから出社というライフスタイルが一般的です。私もこちらに来てから駐在員仲間の影響でランニングをするようになりましたが、毎朝、川沿いはランニングやウオーキングをする方々でいっぱい。ジムからカフェに流れる方も多く、街中にたくさんあるコーヒーショップもジムファッションの方々で大賑わいになっています。生活リズムも早寝早起きでとても健康的。日本にも根付いてほしい文化の一つです。
ブリスベンといえば、2032年の夏季オリンピック・パラリンピック開催予定地。そこまで大きな街でもなく、オリンピックの選手や関係者、観客を受け入れられるキャパシティーがあるのかという一抹の不安はありますが、街中ではすでに開催に向けたインフラ整備が始まりつつあります。例えば、オフィスの周りでは古くなったビルの建て替え、新たな高層ビルの建設や商業施設の建設などが進んでいたり、新しい地下鉄線の工事なども忙しく進められていたり、街の風景が変わるような工事が進行しています。その頃までブリスベンにいられるか分かりませんが、開催に向けた街の変遷を見ることができるのは大変楽しみです。
ブリスベンでの生活を経て、仕事の面でも私生活の面でも、何事もおおらかに受け止めることの大事さに気付くことができました。特に子どもが伸び伸びと生活している姿を見てそのようなことを感じます。
シドニーやメルボルンと比べて印象の薄い都市かもしれませんが、ブリスベンはのんびり過ごすにはぴったりの場所になっています。皆さんもブリスベンの公園でゆっくり過ごす休日はいかがでしょうか。