つなぐ関東グランドフェア2023

2023年7月7日から8日に幕張メッセ(千葉)にて開催された「つなぐ関東グランドフェア2023」について、来訪した際の様子を当会事務局よりご紹介いたします。


展示会の様子


取材させていただいた
ユアサ商事総合企画部サステナビリティ推進室の皆さま

グランドフェアは、「モノづくり・すまいづくり・環境づくり・まちづくり」に関する最新の技術やソリューションが集結した展示会で、「話して納得、見て解決。社会課題の解決が出来る。」をコンセプトに、新しい近未来ソリューションを一堂に展示しています。1978年(昭和53年)の第1回開催後、45回目を迎える2023年は、関東を皮切りに、東北(宮城)、中部(愛知)、関西(大阪)、九州(熊本)と順次開催されています。

この展示会の特色の一つに、「取引先さまとのネットワークを活かした、現場に近いレベル感での社会課題の解決」が挙げられます。「本展示会の主催はユアサ商事の販売先さまの会である『ユアサやまずみ会(注1)』で、仕入先さまである『ユアサ炭協会(注1)』が出展社となり、ユアサ商事はこの場所を用意する後援という立場をとっています。関東グランドフェアでは400社以上の仕入先さまにブースを設けていただき、さまざまな商品やソリューションを提案いただいています。」「ご来場いただくお客さまは、『ユアサやまずみ会』のお客さまである工場の設備担当者さまや工務店、ゼネコン、ディベロッパーなどのプロユーザーがメインです。現場や社会の課題解決に役立つ商品やソリューションを実際に手に取って体感していただくことで、新たな商談やプロ目線での要望をお聞きする場となっています。」とご担当者さまにお話しいただきました。


展示された「V2H機器搭載宅配ボックス付門柱」

会場中央のテーマゾーンでは、社会課題解決をテーマに、多様なメーカーとの「つながり」を活かして開発された商品やソリューションを紹介しており、「つなぐ」というコンセプトに即した展示がなされているという点も印象的でした。

例を挙げると、『V2H機器搭載宅配ボックス付門柱』があります。再生可能エネルギー分野で多数の販売実績を有するユアサ商事と、ガーデン・エクステリアメーカーである株式会社タカショー、V2Hシステム(注2)を業界に先駆けて開発したニチコン株式会社の3社が、デザイン性にも優れ、V2Hシステムや宅配ボックスなどのさまざまな機能を備えた機能門柱を開発しました。宅配便の再配達問題とエネルギーの効率的利用、台風や自然災害による停電対策を掛け合わせた今までありそうでなかった商品となっています。

このように、販売先さま、仕入先さまの多様なネットワークを通じて、新たな価値創造を生み出し、社会課題解決に向けて、さまざまな商品やソリューションをご提案されています。

また、展示会のサステナビリティにも取り組まれており、「グランドフェア サステナビリティチャレンジ」として、「省エネ」「脱プラ」「ゴミ削減」をテーマに、植物由来の「コーン紐」を使用した首下げホルダーの使用や会場で使用する電力量のカーボンオフセットなどに取り組まれています。

最後に、展示会を通じて、会社と会社、商材と商材、人と人を「つなぐ」ことで新たな可能性を生み出し社会課題を解決していく姿勢は、まさに商社、そして当会の役割の一番重要な部分と重なり、意識して取り組んでいかなければならないと感じました。

(注1)ユアサやまずみ会・ユアサ炭協会…ユアサやまずみ会(1969年発足、会員会社数約3,000社)はユアサ商事の主要販売先の会、ユアサ炭協会(1977年発足、会員会社数約500社)は主要仕入先の会で、ユアサ商事の創業時の屋号「炭屋」が名前の由来となっている。「工業」「住環境」「建設」にまたがる業界横断型・双方向型のネットワーク組織として、本稿で紹介する「グランドフェア」の主催や会員各社によるさまざまな交流会や勉強会を通じ、新たなビジネスやソリューションの創出を行っている。

(注2)V2Hシステム…ビークルトゥホーム(Vehicle to Home)の略称。EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)にバッテリーとして搭載されている電池に蓄えられている電力を、住宅の分電盤に接続し、家庭内の照明や家電製品などを動かす電力として使用することができるシステムの総称。

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