【先行掲載】ちょっと探訪記 公益社団法人 横浜貿易協会

ちょっと探訪記のコーナーでは、当会と関係の深い団体を訪問し、活動概要や当会との関係についてお話を伺います。今回は公益社団法人横浜貿易協会 常務理事 坂井 雅幸氏と書記 井上 えつこ氏にインタビューを行いました。


右 坂井氏 左 井上氏


横浜の貿易の発展と共に117年


貴協会の概要についてご紹介いただけますか。


横浜貿易会館

坂井氏:当協会はわが国の貿易および関連産業の健全な発展と地域経済の振興に寄与することを目的とする公益社団法人です。明治38年11月1日に横浜輸出協会として誕生し、平成25年の公益社団法人化を経て今年(2022年)117周年を迎えます。現在正会員企業・団体が100、賛助会員企業・団体が18となっており、貿易商社だけでなく、輸出入、生産加工、港湾運輸、保税倉庫、金融保険などの多様な貿易関連事業者で構成されています。そして、経済産業省、神奈川県、横浜市などのご支援をいただきながら、当地区における公益の貿易振興推進団体として、所期の目的達成に向け、貿易および関連産業に関する事業を行っています。

当協会所有の横浜貿易会館は、横浜港で最も歴史のある大さん橋ふ頭にほど近い横浜市中区海岸通1丁目1番地に位置し、その3階に私たちの事務所があります。道路を挟んだ向かい側には日米和親条約締結の地として知られる開港広場、その隣には幕末以来の横浜の歴史を扱う横浜開港資料館、神奈川県庁や横浜税関があるなど歴史にゆかりのある地区であり、当会館自体も米軍に接収されていた過去を持つ昭和4年建造の非常にクラシックな建物です。

具体的な事業内容についてお聞かせいただけますか。


海外販路拡大支援事業 展示会出展の様子

坂井氏:総会や理事会の開催、関係官公庁への要望活動、機関誌や年報の発行、貸会議室の提供など、貿易の振興のためにさまざまな事業を行っています。

まずご紹介したいのは横浜市貿易振興融資事業です。横浜市から寄託を受けた資金を横浜市内の12の金融機関に預託の上、金融機関から貿易事業者へ輸出入資金、倉庫・港湾運輸資金として融資しています。令和2年の実績で120件超の融資を行い、横浜市の貿易事業者を支えています。

この他、会員セミナーや講演会、優良貿易従業員表彰制度や公益事業の海外販路拡大支援事業などがあります。海外販路拡大支援事業の一環で、令和元年にシンガポールで開催された日本の食に特化した見本市「Food Japan」に当協会のブースを出展しました。神奈川県内の食品関係の事業者を公募して8社が集まりました。東京国税局の日本産酒類の輸出促進連絡会議に当協会も参加していることもあり、神奈川県の酒蔵から1社加わっていただきました。実は神奈川県には酒蔵が13あるのです。

井上氏:一般の方々に貿易に親しんでいただくことも当協会のミッションです。創立記念日である11月1日には、会員だけでなくどなたでもご参加いただける講演会を実施しています。また横浜の貿易や歴史を紹介するパネル展を定期的に開催しています。
貿易研修事業は会員の皆さまのみならず、一般の方にも数多くご参加いただいています。約70年前に開始したこの事業は、2022年度で第56回を迎えます。基礎コース2種類と実務コース、見学コース、英文Eメールという現在のコース構成になったのは10年前です。コロナの影響でこの2年は見学コースを中止し、その他のコースは状況に応じてオンラインで実施しました。基礎コースは、市の『広報よこはま』でも募集しているので、一般の貿易初心者の方も多くいらっしゃいます。実務コースは、オンラインで開催したことで例年より多くの参加実績があったため、今後もオンライン開催を継続する予定です。コロナ禍によって会場での開催の良さとリモートの良さを併せ持つ事業に進化したといえるでしょう。これまで担当者として研修に立ち会ってきたのですが、個人的にも興味が湧き、先日、貿易実務検定C級を取得しました。体系的に勉強できるので、貿易に興味のある方にはこの検定はお薦めです。

交流を大切に貿易の未来を育てる

会員サービスで特に大切にされていることを教えていただけますか。


優良貿易従業員表彰事業 表彰の様子

坂井氏:特に会員同士の交流を大切にしています。セミナーや講演会、会合は参加者の学びの場であると同時に、絶好のコミュニケーションの機会です。貿易記念日である6月28日には毎年講演会を開催し、立食の交流会を行ってきました。年始には新春賀詞交換会も実施しています。
さらに会員同士の交流を促すため、セミナーの座席配置を教室形式からテーブルを囲む形に変更したり、理事会後のミニ講演会でも向かい合わせに座る形に変更したりしました。会員の皆さまには好評だったのですが、現在はコロナ禍で教室形式に戻しており、残念です。その他には、幹部向けセミナーの一部を一般会員が参加できるように刷新し、より多くの方が交流と学びの場に加われるよう工夫しています。

優良貿易従業員表彰事業では、貿易記念日のセミナー後に貿易や港湾関係の会員企業に勤務する優秀な従業員を表彰しています。会員企業から従業員の方をご推薦いただいて、役員会議で審査・承認を経て、例年10人程度の方々を会長名で表彰します。毎年ご推薦くださる会員企業もおられ、公的な団体から表彰されるのは社内表彰とはまた違った角度からの従業員のモラールアップにつながっているものと思われます。

コロナ禍で貴協会の事業に影響はございましたか。

坂井氏:特に海外販路開拓支援事業には大きな影響がありました。海外市場に関するセミナーの開催に加えて、今までは香港やシンガポールに直接赴いて商談会や展示会に参加してきたのですが、海外に行くこと自体ができなくなりました。そこで2021年は、オンライン展示会に出展したり、以前から商談会でタイアップしてきたジェトロ横浜、ジェトロ・シンガポールと協業して、オンラインで海外と結びセミナーを開催しました。海外バイヤーとの商談会も、神奈川県内で募った食品事業者から事前に現地に食品サンプルを送り、段取りよくオンラインで実現できました。コロナ禍でも私たちのネットワークを活かして、なんとか会員のお役に立ちたいとの一心で奮闘しました。

井上氏:子どもたちへの貿易の啓発活動として、横浜市教育委員会が主催し企業や団体が連携して行う「子どもアドベンチャー」プログラムに参画しています。当協会は「夏休み子ども貿易教室」を開催してきましたが、コロナ禍でこの2年間はイベント自体が中止になりました。令和4年度は開催が見込まれていますので、久しぶりに子どもたちの喜ぶ顔が見られると楽しみにしています。

貿易の振興と発展のための協業

当会とのつながりについてお聞かせいただけますか。


夏休み子ども貿易教室の様子

坂井氏:小林健会長には当協会の顧問にご就任いただいており、当協会の上野会長は日本貿易会の理事に就任しています。日本貿易会の岩城前常務理事から事務局員の貿易リテラシーを向上させたいとのご相談があり、研修事業の見学コースへの参加を提案しました。岩城前常務理事をはじめ事務局の皆さまと行動を共にし直接お話する中で、汐文社の『写真とデータでわかる 日本の貿易』など小学生向けの貿易教材を監修していることを知りました。ぜひ知見を活かしていただきたいと考え、2019年度の「夏休み子ども貿易教室」の講義をお願いしました。

井上氏:「夏休み子ども貿易教室」は、横浜港の本牧ふ頭にあるコンテナターミナルを見学する半日ツアーで、見学前に授業形式で話を聞く時間を設けています。事務局員の講義は、資料も充実し子どもに分かりやすい内容で大変好評でしたので、ぜひ2022年度は復活させたいですね。子どもたちの学びのために今後も大事にしていきたいイベントです。2019年12月の研修事業の見学コースでは、日本貿易会からの提案で成田空港を訪問しました。また、2021年度から基礎コースⅡの講師を日本貿易会が設立したNPO法人である国際社会貢献センター(ABIC)の会員に委託しています。経験豊かなうえ、講義も分かりやすく、研修講座の強みにもなっています。


オンライン インタビューの様子

坂井氏:当協会の関係官公庁への要望活動の一つとして、日本貿易会の国際課税連絡協議会に参加しています。当協会は、同じく同連絡協議会に参加している一般社団法人全国中小貿易業連盟(以下全中貿)の金融税制検討委員会を担っている横浜連盟の運営事務を担う立場でもあります。これからもご縁を大切に、より良い会員サービスを追求しつつ、共に貿易の振興と発展を支えていきましょう。今後ともよろしくお願いします。


― こちらこそこれからもどうぞよろしくお願いします。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。


日本貿易会月報2019年9月号 横浜貿易協会「夏休み子ども貿易教室」で出前授業


ちょっとトピック:貿易研修講座


横浜貿易協会では、一般の方も参加可能な五つの貿易研修コースをご用意しています。該当コースの開催日前月中旬ごろからオンラインで申し込みを受け付けています。ご参加お待ちしています。

詳細は以下のリンクよりご確認ください。
URL:http://www.yfta.jp/category/1328047.html


基礎コース 授業の様子

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