「ロシアビジネス」特集


世界で最も大きな国土を有するロシアは、16の国と国境を接しており、地理的にも文化的にも、欧州とアジアの懸け橋を担っている国である。石油や天然ガスなどの豊富なエネルギー資源は、ロシアの産業と経済を支えている一方、油価低迷の影響も受けやすい。2014年3月、ロシアのクリミア併合を契機に欧米諸国が実施した経済制裁は、油価の下落とも相まってロシアに2015-16年の2年連続のマイナス成長をもたらした。

独自の対ロ外交を推進する安倍首相は、2016年5月ロシア・ソチを訪問し「経済分野に関する8項目の協力プラン」を提案した。同年9月には第2回東方経済フォーラムへ参加、毎年首脳会談を行い、8項目の協力プランの進捗(しんちょく)を確認することとし、日ロの新たな時代を共に切り開くために、さまざまな分野で協力案件が追求されている。

2018年3月に4選を果たしたプーチン政権と、日本はどう向き合うべきか。両国関係の発展に寄与する経済的取り組みは何か。また8項目の協力プランに含まれる「極東の産業振興」はどのような可能性を秘めているのか。本特集では、駐日ロシア連邦大使へのインタビューや商社関係者による現地座談会、有識者からの寄稿等ご協力をいただいた。折しも2018年は「ロシアにおける日本年」「日本におけるロシア年」である。この節目に当たり、両国関係の深化に向けた取り組みのヒントとなれば幸いである。

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