東日本大震災から3年半が経過した現在、東北は、損壊したインフラの復旧・整備などの公共事業投資を通じて、他の地域経済と比べても高い成長を遂げている。また、各自治体は、被災地域の再建に向けた取り組みと共に、今後の経済発展を力強くけん引する新しい産業を育成しようとする試みも見られる。

その一方で、資材価格の高騰や建設現場での人材不足、震災発生以前から進行している高齢化、被災地域での住環境の変化に伴う人口流出の問題等、経済・社会的な諸課題への対応も迫られている。

こうした環境変化の中で、東北が長年にわたり培ってきた諸産業の潜在力を生かし、経済を持続的に発展させるためには、今後どのような諸施策が必要であるのか。また、東北における産業育成において商社に期待される役割は何なのか。本特集では、震災以降の東北における復旧・復興の現状、経済全般の動向を踏まえ、今後の東北経済のさらなる発展や人材育成の在り方、商社が取り組む事業・社会貢献活動、商社ビジネスへの期待等を展望する。

本特集が、東北経済を発展・加速させる諸施策の議論や東北での事業展開の検討に参考となれば幸いである。