地球環境問題に取り組む商社業界


2008年は、京都議定書の第1約束期間がスタートする。また、地球環境・気候変動問題を主要テーマの一つと掲げる北海道洞爺湖サミットが開催され、日本でも地球環境問題への注目度が一層高まっている。地球環境問題は、人口増や工業化などさまざまな要因から引き起こされているが、先進国以上に、成長著しい途上国において大きな問題となっており、世界中に拡大している。日本はリーダーシップをとりながら、世界が一丸となって、対策を講じなければならない。

環境先進国である日本の企業は、太陽光・風力・バイオマス発電等の温室効果ガス削減に資する再生可能エネルギーの開発や、循環型社会の実現をめざすリサイクルシステムの開発等に取り組んでいる。その中で、商社はオーガナイザー機能、世界中のネットワークなどを利用して、世界規模で環境ビジネスに取り組み、また、CSR活動の一環として植林活動や環境教育等の啓蒙活動を積極的に行い、地球環境問題の解決に努めている。地球環境問題が、ますます深刻化することが予想される中で、今後、本格的な低炭素型社会、循環型社会の構築に向けて、政府と民間企業が一体となり、これまで以上に積極的に環境対策に取り組んでいかなければならない。

当会では、2008年度より6月を「商社環境月間」と位置付け、商社業界の環境への取り組みを促進してきた。また、これらを社会に積極的に情報発信していくこととし、これに先立ち、本特集では、地球環境問題への商社業界の具体的な取り組みを取り上げた。座談会では、地球温暖化をはじめとする地球環境問題への商社業界の取り組み、日本の政府、産業界への要望や期待等についてご討議いただいた。続いて、商社の社会貢献活動への参加者から、参加により得られたこと等について、また、環境分野における商社業界のCSR活動の一環として、2002年度から大学における環境講座を実施している横浜国立大学の副学長から、産業界、商社の実施する環境講座の重要性についてご寄稿いただいた。次に、当会が商社業界の環境への取り組みを積極的に情報発信しようと出展する「北海道洞爺湖サミット記念環境総合展2008」(6月19〜21日)の実行委員長である北海道知事より総合展の意義、目的等についてご紹介いただいた。そして、東京大学大学院教授から、資源制約のある中での日本企業、商社のビジネスチャンス等についてご寄稿いただいた。

本特集を契機に、地球環境問題の解決に向けて、商社を含めた日本の産業界にはどのような役割が求められているのか、そこにはどのようなビジネスチャンスがあるのか、また、商社業界としてどのような活動を行っていくべきなのかについてあらためて考えてみたい。

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