大国中国のゆくえ


中国経済は2003年以来5年連続の2ケタ成長を経て、経済規模は今やドイツと肩を並べるまでに拡大し、2020年には日本を追い抜くとみられている。今後、中国の高度経済成長は、どのように続いていくのであろうか。日本は、今後中国とどのような関係を構築すべきか。

中国経済は、オリンピック前にすでに緩やかな調整局面に入っているとみられる兆候が出ていた。本特集を企画した時期は9月であったが、7月に発表された2008年第2四半期の成長率は前年同期比10.1%で、水準は依然として高いものの、内需と外需が共に減速し、ピーク時(2007年第2四半期の12.6%)に比し2.5ポイント低下した(10月20日に発表された第3四半期の成長率は、さらに減速して9.0%)。外需の面では、輸出の伸びが鈍化し、輸入は一次産品価格の上昇を反映して大幅に伸び、2008年に入ってからの貿易黒字は縮小傾向に転じ、前年の水準を下回るようになっていた。

これは、金融引き締め政策の効果が現れ始めたとの見方もあるが、さらに戦後最大の金融ショックに見舞われている世界経済の減速が、中国経済にどの程度影響を及ぼすのか。しかるべき対策も講じられて、影響は限定的であるとの見方もある一方、まだ予断は許されない状況にある。

圧倒的な存在感を示す中国。しかし、多くの課題を抱えながら膨張しているともみられ、中国の急激な変化は、日本に、世界に多大な影響を及ぼす。

今後も中国が持続的な成長を遂げるための鍵は何か、そして何が成長の制約となるか。把握しておくべき中国が抱える諸問題を整理し、進出企業はどのような対策を考え、どのような体制を整えるべきか。ビジネス展開にあたっての注目点と商社に期待される役割は何か。そして、今後の日中関係をどのように発展させるべきか。中国で進出日本企業の支援等を行う機関のトップならびに商社現地トップの方々にご参集いただき、座談会でご討議いただくと共に、有識者からのご寄稿により知見、提言をご披露いただいた。

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