2009年12月号(No.676)
2009年10月に建国60周年を迎えた中国。急速な経済発展を遂げ、2008年には北京にてオリンピックを開催し、2010年5月には過去最大規模となる国際博覧会を上海にて開催する。
そして、今、金融危機に端を発する世界経済の低迷下において、中国への世界経済回復のけん引役としての期待が高まり、世界中から熱い視線が注がれる。
中国は、2009年、目標とする8%の成長はほぼまちがいなく達成するであろう。しかし、その成長は、金融緩和と4兆元の大型景気刺激策等の政策的財政支援によるところが大きく、外需の落ち込みは深刻である。また、インフレ懸念が大きくなってきており、人民元の切り上げ圧力も高まっている。
中国は、2010年以降も成長を維持できるのか。今後とも持続的な成長を遂げるための課題は何か。中国の急激な変化は日本に、世界に多大な影響を及ぼす。
日本は、日本企業は、今後どのような対応を考えておくべきか、どのような体制を整えておくべきか。中国ビジネスの展開にあたっての注目点であるビジネスチャンスとリスクを考察し、商社が果たす役割を考える。
加えて、世界経済の中心がアジアに移りつつある中、アジアの中の日本として、中国、中国企業といかに協調して共に発展を図るか。互恵的成長戦略を考えてみたい。