上海万博後の中国経済の行方と日中経済関係の深化


中国のプレゼンスが日に日に大きくなっている。WTOに加盟してから9年、高成長を果たし、その間北京オリンピック、建国60周年、そして今、上海万博を開催、2010年は世界第2の経済大国となる。しかも、中国経済の発展段階は、おおむね日本の高度成長期の初期段階に当たるといわれ、成長の余地はまだまだ大きい。国土、人口共にけた外れであり、世界の工場とともに、今や世界の市場(消費地)と期待され、世界中から熱い視線が注がれる。さらに、中国の海外投資は、アフリカ、南米を中心に世界の重要な役割を担っており、その投資能力は高く評価され、世界経済の復興に求められているとの指摘もある。

一方、中国は所得格差、地域格差、環境問題などさまざまな問題、課題を抱えているものの、着実に大国の道を歩み続けており、自信に満ちているとみられる。

日中関係も変化してきており、抱える問題も変わってきた。今後日本は、中国とどのように対峙(たいじ)、共生を図るか。日中関係が揺れている今、大手商社が中国で展開するビジネスの実態を紹介するとともに、有識者に上海万博後の中国経済の行方を解説いただき、日中経済関係のさらなる深化に向けて知見を披露いただいた。今後の中国との関係をあらためて考えてみたい。

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