ロシア特集


ロシア経済は、1998年の金融危機発生以降、ルーブルの大幅切り下げの効果や国際資源 価格の高騰により、高い成長率を維持し、インフレ率も急速に改善してきている。近年では、石油の輸出で内需が拡大しGDPを引き上げる好循環が生まれている。今後とも石油をはじめとするエネルギー輸出に依存した成長が続くのか、ロシアの経済 外交、エネルギー戦略はどのように展開していくのかが注目されている。

一方、日ロの経済関係は、エネルギー分野を中心に具体的な形で進展しており、日本企業の対ロ進出も相次ぎ拡大傾向にある。貿易高も2005年は、前年に引き続き過去最高を記録した。しかし、日米間や日中間に比すると日ロ貿易の規模はわずか5~6%であり、また日本からの投資額もロシア全体の1%程度と低い。

2005年11月にプーチン大統領が5年ぶりに訪日した際、異例となる民間の経済フォーラムに出席し、日本の投資拡大を訴えた。サハリンプロジェクトのほか、新しいエネルギープロジェクトへの参加に期待を表明。また、シベリア・極東の開発について、連邦レベルの 発展計画を策定している。この地域に内外の投資家を呼び込むための必要なあらゆる条件を整え、自由経済区(特別経済区)を設けるべく注力すると言明し、この地域の発展を重 視する姿勢を鮮明に示した。

日ロ間には、平和条約締結の問題があるものの、相互の関心は高い。今、ロシアはどのような方向に進もうとしているのか、ロシアの経済・外交の動向やエネルギー戦略、投資環境、ビジネス環境、そして特に東シベリア・極東における日ロのエネルギー協力の展望と課題等についての識者の解説と見解を伺い、ロシアとのよりよい経済協力関係のあり方を探ってみたい。

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