ASEAN特集 「ASEAN経済共同体の誕生と商社ビジネスへの期待」


ASEANは、自動車や電機などの日本の製造業のネットワークを支える地域としてだけでなく、食糧やエネルギー資源の主要な供給地としても位置付けられる。加えて若年層人口が増加し、インフラ整備や生活関連消費財の需要拡大傾向が見られ、今後の高い成長が見込まれる市場の一つとしても注目されている。

2015年末には「ASEAN経済共同体」(AEC)の発足を通じた6億人の地域経済圏形成への期待が高まる一方、一部のASEAN加盟国も交渉に参加した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の大筋合意を受け、ASEAN加盟各国の今後の貿易・投資関係の動向にも注目が集まっている。

このように成長市場として注目されるASEANではあるが、先進国、中進国として位置付けられる国と、開発途上にある国とが混在していることから、域内が一つの市場となる前提として、連結性の強化、そのためのインフラ整備、非関税障壁の撤廃など、ビジネス環境のさらなる改善の必要性も指摘されている。

本特集では、関心が高まるASEANについて、最近の動向、域内貿易・投資を促進させるための課題、ビジネス環境改善を図るための施策、今後の日本との関係強化の在り方などを、商社等のシンガポール駐在代表者による座談会、有識者による寄稿やインタビューを通じてご紹介したい。

本特集が、ASEAN市場への進出やASEAN各国との関係強化を検討する際の参考となれば幸いである。

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