豊田通商が取り組むメディカル・ライフケアビジネスについて

豊田通商株式会社
ライフ&メディカル事業推進部

1. ライフ&メディカル事業推進を加速


当社は、「GLOBAL 2020 VISION」の下、「モビリティ」「ライフ&コミュニティ」「アース&リソース」の3分野を持続的な成長分野と位置付け、さらなる強化拡大を推進しております。生活環境の向上に貢献する分野である、「ライフ&コミュニティ」の柱の1つを構築すべく、2012年4月に医療・医薬事業全般を推進する部署として、「ライフ&メディカル事業推進部」を新設いたしました。「安心・安全・快適」をキーワードに「医療」「健康」「介護」の事業領域において「人・社会」に役立つ価値を提供していきます。


2. 日本の高い医療関連技術を海外へ


FMD検査装置

当社は、2011年3月に㈱デンソーと㈱ A&Dと共に、医療機器メーカーである「ユネクス」に共同出資いたしました。ユネクスは、動脈硬化の検査である「血管内皮機能検査」を代表するFMD(血流依存性血管拡張反応検査)検査装置のメーカーで、高い測定精度から、多くの大学病院などに納入実績があります。共同出資により、ユネクスがこれまで培ったFMD測定に関する高い技術に加え、当社のネットワークを使い、海外への展開を図り、日本の高い医療関連技術を輸出し、海外の医療水準向上に貢献していきたいと考えております。


3. 新興国での病院運営に挑戦


開業予定の総合病院完成予想図

海外に目を向けると、特に新興国では、ご承知の通り、人口増、経済発展が目覚ましい中で、インフラ不備から来る病院不足、医療低レベル、医療保険制度不備で、「医療」が 人口増と経済発展に追い付いていないのが現状です。
新興国や東南アジアのメディカル・ヘルスケア市場は、OECD諸国に比べてまだ規模は小さいですが、今後も高い成長率で拡大することは、間違いありません。各国における「経済発展」には、「医療インフラの発達」が不可欠になっています。

当社は、インドのパートナーからの提案で、セコムのグループ会社でメディカル事業の中核を担う、セコム医療システム㈱と、インド側パートナーの3社共同で、バンガロールで300床規模の脳神経外科や整形外科を中心とした総合病院を、2013年4月開業に向けて準備を進めています。

世界各国において、医療格差の解消や高品質な医療サービスの提供が急務になっており、インドを含めたアジア地域においても、医療施設の数と質の充実や医療従事者への教育体制の整備を図ることで、医療サービスの質の向上に貢献していきたいと考えております。


4. さらなる医療発展に貢献するために


医薬品展開に関しては、商社従来の医薬品原料、中間体輸入、糖尿病診断薬の米国での販社展開(グライコマーク社)、新薬分野ではカナダのケムルーツ社のケミカルライブラリーで創薬支援を行っております。また、新薬候補物質およびバイオシミラー(スペイン)の対日ライセンシングの対日代理店契約を締結しました。
レントゲン検査用の造影剤や殺菌・消毒薬などに使われるヨード生産事業に関しましては、当社は過去より日本と米国に生産拠点を持ち、さらに、南米チリに生産拠点を加え、川上戦略を大きく進捗させました。今後は、ヨード造影剤、ヨード系化合物の生産など川中・川下へのバリューチェーン展開を考えております。

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