インドネシアにおける住宅開発事業

双日株式会社
産業基盤・都市開発本部
産業・都市基盤開発部 部長
長崎 潤一郎

1. 双日が手掛ける海外工業団地

当社では、長年にわたり培ってきた工業団地ビジネスの経験を生かし、現在、ベトナム、インドネシア、インド、フィリピン(販売代理)の新興国において計五つの工業団地の開発・運営を行っています。

インドネシアにて双日が手掛ける工業団地「グリーンランド・インターナショナル・インダストリアル・センター(GIIC)」は双日と現地の財閥であるシナルマス・グループのシナルマスランドとの合弁会社「プラデルタ・レスタリ(PDL)」が開発・運営を行っているデルタマス・シティ(デルタマス)という総合都市開発事業の中に位置します。

2. デルタマス・シティ

デルタマスはジャカルタから東に延びるチカンペック高速道路の37km地点インターチェンジと直結しており、住宅・商業エリア(約1,500ha)、GIIC(1,700ha)の合計敷地面積3,200haの総合都市開発事業で、日系企業が参画する事業としては世界最大規模となっております。道路・電力・給水・排水・通信・ガス等の基本的なインフラ整備はもちろんのこと、デルタマスには現地駐在される方々に快適に生活していただき、(製造業等の)“本業に集中"していただくことができる環境が整っています。しかしながら、ジャカルタの人口はさらに増加が続くことが予想され、今後はデルタマス周辺の副都心化に伴い、住宅・商業エリアのさらなる開発が必要となってきます。現在の開発状況として、商業面ではイオンモール(近年開業予定)、コンビニ、日系銀行、各種商業店舗、多数の日本食レストラン(現10店舗)を設置し、行政面ではブカシ県庁庁舎、教育面では私立工科大学(ITSB)を誘致済みであり、国立・バンドン工科大学大学院の誘致も決定しています。また、2017年12月にはジャカルタ東部日本人学校(仮)の候補地として選定されています。

こうした生活環境の整備が進む中、住宅面ではデルタマス内には邦人向けのサービスアパートが4棟(約600戸)あり、そのうち1棟「Le Premier」はPDLによって開発・運営を行っており、デルタマスで快適に生活していただくためのサービスを提供しています。

戸建て販売に関しましては、これまでに約3,000戸が販売済みですが、2017年11月17日にPDLとパナホーム・グループによってデルタマス・シティにおける職住近接のスマートタウン開発を目的とした「パナホーム・デルタマス・インドネシア社」(PDHI)を設立しました。


スマートタウン完成イメージ図

スマートタウン完成イメージ図


デルタマス完成イメージ図

デルタマス完成イメージ図


3. PDHIによるスマートタウン開発

PHDI*は、PDLがジャカルタ市近郊で推進する職住近接のコンセプトと、パナホームが日本で培ってきた環境に配慮したスマートな街づくりのノウハウとを組み合わせた戸建て住宅街の開発を行います。ジャカルタ郊外の利便性の高いロケーションに、安心・安全で快適な住まいを建設し、新たな住環境を提供することで、職と生活のバランスが取れる豊かな暮らしの創造を目指すと同時に、ジャカルタ都心の人口過密化の緩和にも貢献していきます。

本プロジェクトは、第1期(約520戸)では約100億円の事業規模を目標とし、第2期以降にさらに約1,000戸を開発することで、2026年をめどに、最大で約300億円の事業規模を目指しています。

この事業を通じて、双日グループ、パナホーム・グループ、シナルマス・グループが一体となり、インドネシアでJapan Quality(日本品質)の新たな住環境を提供することで、現地の方々のさらなる暮らしの質向上に貢献していく所存です。
当社は今後も産業インフラと都市インフラに関わる事業者・生活者のニーズを把握し、成長するマーケットや増大する社会的課題へのソリューション提供を行うべく、総合的なインフラ開発事業の創出に取り組んでまいります。

(*) パナホーム・グループのパナホーム・アジアパシフィック株式会社と現地企業のゴーベル・インターナショナル株式会社によって設立されたパナホーム・ゴーベル・インドネシア株式会社が51%、PDLが49%出資。

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