南米の雄 ブラジルの歩む道


リーマン・ショックによる世界金融危機に巻き込まれたブラジルであったが、市場安定化策などを迅速に実施し、景気後退から早期に脱出した。その後、景気回復に転じているが、2014年のサッカーワールドカップ、2016年の夏季五輪の開催に伴う大規模なインフラ投資によりブラジル経済はさらなる高成長へ向かうことが期待されている。また、ルラ政権の低所得者支援による中間層市場の形成、推定埋蔵量が豊富な深海油田の発見も中長期的な安定に貢献するとみられており、ブラジルへの投資がますます促進されることが見込まれる。一方、政治面では、2010年10月に大統領選挙が行われる予定であり、依然として高い支持率を保つルラ大統領の後任が誰になるのか、注目が集まっている。商社においても資源・食料を中心に積極的にビジネスに取り組んできており、今後、ますます取り組みが加速することが期待される。

本特集では、主にブラジルの経済・文化にスポットを当て、ブラジルでのビジネスの可能性、ルラ政権が残した功績、世界で高まるブラジルのプレゼンス、日伯関係等についてご寄稿を頂くと同時に、現在の商社のブラジルでの取り組みをご紹介いただいた。現在のブラジルの状況を把握した上で、今後のブラジルの進路について考えてみたい。

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