APUのグローバルな環境で学んだこと

4回生・ベトナムNGUYEN Thi Thanh T.
4回生・中国 GUO Jia
4回生・韓国 AHN Ye Seul
4回生・バングラデシュMOJUMDER Md.Saiful I

APUでの大学生活から、就職活動に至るまでの日本での生活、APUで学んだことで起きた心境の変化など、4名の国際学生に大学時代を振り返っていただき、お話を伺った。


( 上段左から)NGUYEN氏、GUO氏、
(下段左から)AHN 氏、MOJUMDER氏


1. 日本で勉強しようと思ったきっかけ


APUの魅力
(NGUYEN)中学・高校時代に英語を勉強していたため、海外の大学で勉強をしたいと考えていた。APUであれば、奨学金制度も充実しており、学費も免除されたため、留学を決めた。
(GUO)当初は米国の大学への進学を考えていたが、米国の大学だと英語しか学べず、経済・会計などの専門科目を勉強したい場合、奨学金制度が整備されていなかった。英語だけではなく、専門科目を学びたかったため、奨学金制度も整備されたAPUへの進学を選んだ。来日前は、日本語を全く勉強していなかったが、APUのグローバルな生活環境の中で、自然と身に付けることができた。
(AHN)日本の大学で勉強しようと思ったことはなかったが、高校時代に興味を持った国際関係学を勉強するに当たり、他の海外の大学に比べてもAPUの環境が独特でとても気に入ったため、留学を決めた。
(MOJUMDER)出身国であるバングラデシュの発展のためにも、国際的な環境で勉強したいと考え、日本のAPUで学ぶことを選んだ。来日してからは、日本の清潔さや奇麗さに驚き、とても別府が好きになった。


2. 就職活動について


日本で就職すること
(NGUYEN)APU入学前は、日本での就職を考えていなかったが、大学生活の中で、素晴らしい技術力を持つ日本企業のシェアを世界の市場で伸ばしたいと思うようになり、日本企業への就職を考えるようになった。
(GUO)入学当初は、大学院へ進学することを考えていたが、大学で開催された企業との交流会やインターンシップを通じて、APUの先輩の多くが日本の企業に就職していることを知り、日本で就職したいと考えが変わった。
(AHN)高校時代に、国際関係学にとても興味を持ち勉強をしていたため、将来はその方面に進みたいと考えており、日本で就職する気は全くなかった。1回生のころに、国際貿易という授業を履修したことがきっかけで、国際関係学と関わりの深い貿易関係の仕事に就きたいと思うようになり、グローバル化された環境の中で貿易を学びたいと考えが変わったため、日本で就職する道を選んだ。
(MOJUMDER)今後の自分のキャリアのために、日本で就職をしたいと考え、APUのオンキャンパス・リクルーティングで選考に参加し、就職活動を行った。日本では就職活動の期間がとても長いと感じ、エントリーシートなどで長い日本語の文章を書くなど、時間がかかる作業も多く、とても大変だった。

日本の就職活動の仕組みについて
(NGUYEN)ベトナムでの就職活動は大学を卒業してから行うため、時間的にも、精神的にも余裕がない中で行わなければならない。しかし、日本の就職活動は、学生時代にできるため、就職活動を通じて自分の考え方も変わりいろいろと勉強することができた。また、早く就職が決まれば、卒業するまでに将来のキャリアを見据えた勉強ができるのも良い点だと感じる。

キャリア観の違い
(GUO)自分を含め、将来的には、母国に帰りたいと考える留学生も多く、就職先を選ぶ際に、自分の母国で事業を行っていたり、母国に支店があることが、その企業を志望するきっかけとなることがある。そのため、いずれ、母国の事業に携わったり、母国の支店へ転籍できることを希望する学生も多く、もう少し企業が具体的な将来のキャリアプランを見せてくれると、安心して仕事ができると感じる。

企業に期待すること
(NGUYEN)日本の文化は内向きで、国際学生として、日本人だけのコミュニティに入るのが難しいと感じることがある。また、外国人にとって仕事は生活の一部であり、全てではないため、ワークライフバランスがもう少し明確になると、能力の向上にもつながるのではないか。また、企業の制度として、働く時間を減らしてでも、能力アップに使える時間の導入を検討してほしい。
(GUO)就職活動では、筆記試験やSPIが難しいと感じた。日本語の長文読解は、国際学生にとっては難しい。特にAPUの国際学生は、日本語が第 3言語になることが多いため、日本人と同じ試験を受け、同じ選考に参加するのは、日本企業が留学生の日本語能力を求め過ぎていると感じることもあった。
(MOJUMDER)もう少し日本企業でも日本語以外の言語でコミュニケーションをとれる環境になると、日本企業で働ける国際学生の数も増えると思う。また、新卒で就職した人材が、日々の業務で経験を積みながらキャリアアップしていけるシステムは素晴らしいが、国際学生にとって、ワークライフバランスが難しく悩んでいる人も多い。


3. 将来の展望


(NGUYEN)日本人の仕事に対する真面目な態度や、サービス精神は素晴らしい。日本の企業で働くことで、仕事に対する姿勢などを学び、そのノウハウをアジアの国々へも伝えたい。また、日本で経験を積んだ後は、他の国でも働き、将来は、世界の人々に役に立つ人材になりたい。
(GUO)今は、日本に来て、日本の大学で学べて良かったと感じている。日本人はとても真面目で、特に、食の安全管理も徹底されており、仕事への愛着心がある。これらを将来的には、中国に持って帰りたいと考えている。
(AHN)人生は1回きりなので、将来は、自分の名前を世の中に残せるような人材になりたいと考えている。また、APUに留学するきっかけともなった、アフリカに学校を建てるという夢も諦めずに実現させたい。
(MOJUMDER)就職してからも学ぶことを怠らずに、どこの国へ行っても仕事ができるような人材になりたい。そして、バングラデシュの自分の街でボランティアなどの新しいプロジェクトを立ち上げ、日本のように奇麗な街を作りたい。

APUのキャンパス内を歩いていると、さまざまな国の言葉を耳にすることが多く、グローバルな就学環境を肌で感じることができた。また、APUの学生さんはとても気さくで、グローバルな環境の中で身に付けた言語や、学ぶことに対する姿勢は見習うところが多く、とても刺激を受けた。日本企業に就職される国際学生の皆さんの今後の活躍に期待したい。

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