丸紅におけるグローバル人材の活用について

丸紅株式会社
塩ビアルカリ部 塩ビ貿易課
張 瑞勇

丸紅では、ナショナルスタッフを対象に本社駐在実務研修を行っている。張氏は本研修制度で来日したが、研修後本社員に採用された。本インタビューでは、本社での経験や、研修の重要性等を中心にお話を伺った。


1. 現地採用 〜 本社研修 〜 本社員への登用


丸紅の中国の現地法人に就職し、化学品部門の営業スタッフとして3年間(2000年3月−2002年12月)勤務した後に3年間(2002年12月−2005年12月)の本社実務研修に参加した。当初は文化、生活面等の違いに戸惑いもあり、また、中国での勤務とは業務量が格段に異なり大変だった(「残業メシ」もそのころ覚えた)が、若い時分には必要な経験であったと感じている。大変ではあったが、もともと日本が好きであったこと、商社の仕事に魅力を感じていたこともあり、何とか頑張り抜くことができた。研修後、自分は研修で身に付けた経験やスキルを活かして、日本人と同じフィールドで競争をしたかったため、当時の上司に「中国のオフィスに戻るのではなく、本社で働くチャンスを頂きたい」と強く申し入れた。その結果、本社エキスパート職としての登用のチャンスを得ることができ、試験にチャレンジした結果、本社採用となった。


2. 本社研修について


3年間の研修中は、プレッシャーもあったが自分を磨くことができ、自信を持つことができた。中国のオフィスでは特定地域のみを管轄しており、かつ営業経験しかなかったが、本社では、世界全域が管轄範囲であるため視野も広がり、また、戦略・施策の検討等も行うため、事業を違った側面から見ることができ、スキルアップにも役立ったと実感している。
自分が経験したような研修は非常に有益である。確実な成長が期待でき、将来が開けると実感しているため、他の海外のナショナルスタッフ社員に対してもできるだけ機会を捉えるようアドバイスしたい。


3. 本社勤務の魅力と今後の目標


本社は世界戦略を構築する上での司令塔であり中枢である。そこで働けること自体が誇れることであり、非常にやりがいを感じている。現在は、本社員として日本人と同じフィールドで競争しているが、将来的には課長、部長のみ ならず中国総代表を目指すぐらいの向上心を持って業務に臨んでいる。この目標を達成するためには、幅広い分野に習熟し、またグローバルな事業の経験を積むことが重要だと考えている。


4. キャリアに対する考え方


中国では、成果主義が明確であり、労働者側もステップアップを目指して頻繁に転職を重ねるケースが多いが、自分としては、社員のスキルアップ、キャリアアップを促す環境が社内に整っていれば、あえて転職する必要はないと考えており、社内環境の充実化が、会社に対する忠誠心を育てることにもつながると思う。


5. グローバルな活躍を目指している方々へのメッセージ


真のグローバルな営業マンになるには、常に向上心、競争心を持つことが重要。現状に満足することなく常に上を目指す気持ちを忘れずに。

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