2026年1・2月号(No.832)
日本貿易会副会長による「新年の抱負」をご紹介します。
(就任順)
米国の関税政策や米中貿易摩擦に伴うサプライチェーンの分断を背景に、経営環境の不透明感が継続している。また、各産業では生成AIを活用した事業モデルの変革が進められており、生成AI活用の度合いによって企業間でも今後は業績に差が表れるだろう。
2026年も、地政学リスクの高まりや技術革新などにより、環境変化のスピードはさらに加速していくものと予想されるが、激動の時代にあっても当社の「商人としての哲学」は揺るがない。当社の強みである「ハンズオン経営」の下、現場で起きる変化を機敏に捉え、新たな商売を手繰り寄せていく。「三方よし」の精神を体現しながら、持続的な企業価値向上を目指し、全社一丸となり突き進んでいく。
豊富な石油ガスを持つ米国と再エネサプライチェーンを握る中国との間で、構造的な分断は埋まらない。各国とも、経済安全保障も踏まえた、エネルギー・産業振興における現実解が益々求められる。また、AIは米中が圧倒的に先行するが、特に中国の実装スピードは目覚ましい。
各国は如何にして自律性と競争力を担保する「AI主権」を確立するのかが問われる。こうした米中を起点とする変化があらゆる分野に波及する中、当社は、インテリジェンスを研ぎ澄まし、強靭なポートフォリオ構築を目指す。経営戦略2027で掲げる、多様性に裏打ちされた総合力と、「磨く」「変革する」「創る」の下、収益基盤の強化と次の成長の創出を着実に進めていきたい。
2026年も企業を取り巻く環境は一層予測が難しい状況が続くと見ているが、当社の進むべき道、やるべきことの本質は不変である。中期経営計画2026の最終年度を迎え、戦略の着実な実行により成長を加速する。
今年は、刷新したデジタル・AI戦略を加速する年でもある。現場力を強みにデジタル・AIを駆使し、圧倒的なビジネスモデルを構築し、産業・社会の変革をリードする。
デジタル・AIが急速に進化する中、勝ち抜く鍵は人間力である。誠実さと信頼を基盤に人を惹きつける力を磨き、デジタル・AIと人間力の掛け合わせにより、新たな価値を創出する。
地政学上の変動要因によりグローバルサプライチェーンが影響を受ける中、さまざまな領域で変化への対応が重要な年となる。デジタルによって価値の源泉も変わり続けているが、必要なモノ・サービスを必要なところに提供するという商社の使命は不変だ。
当社は中期経営計画2026において、向かう先のターゲットとしてNext Stageを掲げ、企業価値の2倍成長を目指している。変化の後追いでは新たなステージに立つことは難しい。
最終年をNext Stageへの基盤固めの年とすべく、先読み力を発揮し、変革に挑戦し続けることで変化を機会に変えていく。収益の塊を追求すべき領域を見極め、競争優位性を構築しながら『双日らしい成長ストーリー』を実現し、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を目指す。
企業は今、地政学リスクの高まり、気候変動への切迫した対応、デジタル変革の加速という複合的な難局に直面している。従来の延長線上では対応できない構造変化が同時多発的に進行し、企業経営はかつてない挑戦の時代を迎えているが、だからこそ「次元上昇」によるさらなる成長の機会でもある。
当社は外部環境の変化を成長に転換できるよう、社員一人一人の「異能」が織りなす、躍動する生命体のような組織作りを目指している。「異能の総合商社」として、当社らしい事業領域に成長投資を行いさらに磨きをかけることで、地球規模課題の解決に貢献し、「未来の子供たちにより良い地球を届ける」という当社のミッションを実現していきたい。
今年は中期経営戦略GC2027の2年目となる。成長戦略を着実に実践し、時価総額10兆円超の目標達成に向けて引き続き企業価値向上を追求する。
地政学的要因や政策変更に伴う外部環境の変化は今年も続くことが想定されるが、変化は当社にとって好機でもあり捉えていきたい。
また目まぐるしく変化する事業環境においてレジリエントな地域密着型・内需型ビジネスの拡充を推進すべく、当社の勝ち筋である「戦略プラットフォーム型事業」に経営資源を集中させていく。
世界の高みを目指し、総合商社の枠組みを超える価値創造を追求することで、事業も人財も最も成長する企業であり続けたい。