2025年1・2月号 No.826
日本貿易会副会長による「新年の抱負」をご紹介します。
(就任順)
地政学リスクの高まり、自然災害の増加、EV 市場の減速等、外部環境が激しく変化する中でも、当社は中長期的な変化を見据えて、市場とお客さまが必要とする多様な選択肢を提供し、選ばれ続ける存在を目指す。
2025 年は「戦略実行を加速する年」と位置付け、当社らしい事業領域に成長投資を行うとともに、8 月に横浜で開催される第9 回アフリカ開発会議(TICAD9)を機に、パートナーと共にアフリカの未来に向けた取り組みを加速する。Global VISION「Be the Right ONE」(唯一無二、かけがえのない存在)の実現を追求し、サステナブルな成長を続けることにより、来の人々に笑顔と幸せを届けていきたい。
世界情勢は依然として先行き不透明で、事業環境も目まぐるしく変化している。このような複雑な環境下においても、社会・顧客のニーズ・課題を先取りし、解決することが当社グループの使命であり、引き続き中長期的な企業価値向上を追求し、持続的な成長を目指していく。
2025 年は、中期経営戦略GC2024 を完遂し、更に一段階上の成長を目指すスタートを切る重要な年である。
これまでに築いた収益力の向上と財務基盤の強化を足がかりに、収益基盤を更に引き上げていく為、従来のやり方を続けるのではなく、次の成長ステージに向けて「ギアチェンジ」し、新たな価値創造に向けて突き進みたい。
予測不能なロシア・ウクライナ情勢やイスラエルとイランの対立を背景とした中東情勢など地政学リスクは絶えることない。また、米国では今年トランプ大統領の2 期目が始まる。当社を取り巻く環境は益々速度を上げ、刻々と変化していくことになるだろう。
当社は今年度より、中期経営計画に代わり、長期に亘る経営の羅針盤である経営方針「The Brand-new Deal」を公表し、「業績の向上」、「企業ブランド価値の向上」、「株主還元」を通じた企業価値の持続的な向上に取り組んでいる。経営方針の副題には「利は川下にあり」を掲げ、お客さまのニーズにマッチしたサービス・商品を提供していくという「マーケットインの発想」の堅持とより一層の強化も示した。この経営方針を全社一丸となって着実に実践し、更なる成長を実現していきたい。
激変する世界情勢の中、トランプ大統領の再登板が象徴するように自由貿易体制は岐路にある。各国は保護主義的な政策を取りつつあり、またAI によりあらゆる分野に於いて格差の拡大に繋がると、世界経済の分断は更に深まる。日本企業もこの大きな環境変化に確りと対応していく必要がある。
国際秩序の変化や不確実性に加え、社会課題が複数の産業に跨るなど事業環境は益々複雑化している。当社は、グローバルネットワークと多様な産業知見・インサイトからなる総合力をもって、日本をはじめとする各国市場に確りと根差しながら、複雑化する社会課題の解決を通じ、継続的に価値を創出していきたい。
住友商事グループは、中期経営計画2026 の2 年目となる2025 年に、商事活動を始めて80 年目の節目の年を迎える。地政学リスクの更なる顕在化、不確実性の高まりなど難しい外部環境が続くが、当社は下振れ耐性の強化を通じて、外部環境に揺り動かされないよう足腰を鍛えてきており、今後も更なる成長に向けやるべきことの本質は変わらない。市場や競合の動きを捉え、強み・競争優位を発揮できる戦略を立て、時にアジャイルに変更しながら、社員一人ひとりが強い意志をもって、No.1 事業群を目指す。成長に向けて力強く突き進んでいきたい。
2025 年は、世界情勢に大きな影響を与える国や地域での紛争や選挙が相次いだ前年からの影響に起因し、様々な事業における環境変化への対応が重要になる。デジタルによって価値の源泉も変わり続けているが、必要なモノ・サービスを必要なところに提供するという商社の使命は不変である。
中期経営計画2026 で、当社のDNA を「先読み・変革・挑戦」と定義した。商社の真髄とも言える先読み力を発揮し、変革に挑戦し続けることで、変化を機会に変えていく。収益の塊を追求すべき領域を見極め、競争優位性を構築しながら、『双日らしい成長ストーリー』を実現し、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を目指していきたい。