ニューノーマル時代のオフィスの在り方

コクヨ株式会社 ワークスタイルコンサルタント
樋口 美由紀

図1:『どれくらいの頻度でオフィスに行きたいと考えていますか』
データ出典:コクヨ株式会社『smallsurvey10』(2021.4月実施/WEBアンケート)より

コロナ禍を経て、オフィスワーカーの働き方は大きく変化している。度重なる緊急事態宣言発令と外出自粛を受けて、在宅ワークを経験するワーカーは増えている。それまでの「オフィスで働き、自宅に帰る」から「自宅中心で働く」スタイルへの変更を余儀なくされ、戸惑いながら仕事を進めた方もいらっしゃるだろう。そのような中、在宅ワーク用のICTインフラ整備も徐々に進み、ウェブ会議参加や個人業務もやりやすくなってきている。同時に「朝の通勤時間をウォーキングに充てている」「家族と一緒にランチを楽しんでいる」「仕事を終えた後、資格試験の勉強をしている」など、時間を上手に使い生活を充実させる人も見られる。一見すると、テレワークで全てが賄える時代がやってきたようだが、今後オフィスはワーカーにとって必要なくなってしまうのだろうか。

アンケートによると、テレワークを経験したワーカーの46%は、今後「週3日以上はオフィスに出社したい」と答えている(図1)。また「オフィスに期待すること」として「さまざまな部署の人とコミュニケーションがとれること」「仕事に関係する情報が常に入ってくること」「会議等がスムーズに開催できるようになること」が上位にきている(図2)。オフィスでフロア移動の際、偶然出会った他部署の人とのちょっとした雑談から仕事につながる話に発展した、オフィスでパソコンを打っていたら近くの会話が小耳に入ってきて自然と情報を得ることができたなど、オフィスならではの経験をされた方も多いのではないだろうか。また、ウェブ会議が主流になってきたとはいえ、お互いの顔を直接見ながら身ぶり手ぶりを交えてのリアルな会議は、意図の伝わりが速い/安心して話せるなどの声もよく耳にする。これからのオフィスづくりでは「あえてオフィスで実現したいことは何か」をしっかり話し合い、自社にとってのオフィスの役割を明確にすることが、いままでよりも重要性を増してくるだろう。


図2:『オフィスに期待すること(複数選択可)』
データ出典:コクヨ株式会社『smallsurvey10』(2021.4月実施/WEBアンケート)より


コクヨの新オフィス「THE CAMPUS」では、ニューノーマル時代に向けて、新しいオフィスづくりを始めている。チームの一体感を高める「チームビルディング」エリア、思考に没頭できる「高集中ワーク」エリア、外部とのつながりを育む「社外関係構築」エリアなど、オフィスで実現したいアクティビティ(行動要素)を七つに分類し、ワーカーの業務や特性に合わせてワークプレイスをデザインしている。これらは一度完成したら終わり、ではなく運営しながら常に最適なスタイルに進化させている。御社のこれからのオフィスづくりのヒントがたくさん詰まった「THE CAMPUS」にも、ぜひ遊びに来ていただきたい。


カーテンで仕切られたオープンなミーティング席では、たまたま会話を耳にした他
部署のメンバーが飛び入りで参加することも

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