コロナで変わる 国際理解教育とABIC

ABIC 初代事務局長
国際理解教育 コーディネーター
宮内 雄史

ABIC 初代事務局長
国際理解教育 コーディネーター
宮内 雄史

私が担当しているABICの小中高校国際理解教育分野では大きく分けて二つの支援を行っている。一つ目は小中高校の授業の一環である「国際理解教育」を担う講師を派遣すること、二つ目は外国籍児童・生徒の日本語への適応を指導することである。

小学校は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、2020年は3、4月と休校となってしまい、先生方は多忙な毎日に加え、さまざまな変化に飲み込まれた。ただ、職業教育の分野においては、社会科見学などの校外学習に代わる形で、外国事情を紹介する講師派遣の要請を受けたりしている。他方、IT化推進政策の下、生徒たちにタブレットが支給されており、コロナ禍でその使用は加速している。今後、リモート授業やタブレットを使った学習が増えていくことは間違いなく、ABICとしてもリモート対応できる講師を増やす必要がある。

外国籍児童・生徒への支援で、日本語教育のリモート対応を提案したが、学校側のITリテラシーが追い付いていないということで実現できなかったケースがあった。リモート授業に対応しているか否かが、支援される側も支援する側も外せない条件になってきている。

一つの試みとして、多摩市、新宿区の外国籍児童・生徒を支援しているABIC講師の皆さんとオンラインで情報交換会を行った。ウェブでの打ち合わせはスケジュールが立てやすく、夜に実施すると間違いなく集まることができる。初対面でウェブ打ち合わせとなるとなじめない印象があったので、一部の参加者とは個別に事前練習を行った。リモートで仲良くなるには、コツをつかみ、相手の反応にもある程度慣れることが必要だ。リモートでの打ち合わせは簡単で便利なので、回数を増やし、コミュニケーションを行うことでITスキルをブラッシュアップできる。まずはコーディネーターがリモートに精通し、次に小規模または中規模で一般会員を巻き込んでいろいろと運営に組み込んでいくのも面白い。

私は商社出身なのでいつも気になっているのだが、コロナ禍で商社はリモートでどのように仕事をしているのか。商社の中でどのように働き方が変わっているのか。いろいろと情報を集めて、ABICの未来、リモートでできる新しい仕事のやり方や働き方を探り続けたいと思っている。リモートに慣れてくると、飲み会も開ける、セミナーにも出られるというように生活が豊かになる時代だ。国際理解教育支援だけでなくABIC会員全体のスキルの底上げに貢献していきたい。

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