ABICの20年 〜今注目される活動モデル〜

ABIC 理事長
岩城 宏斗司

ABIC 理事長
岩城 宏斗司

本特別企画もいよいよ最終回となりました。20周年を祝う記念行事がコロナに飲み込まれてしまった中で、全6回にわたって、ABICのリアルな姿を描いてきました。インタビューや寄稿にご協力くださった皆さま、そして読者の皆さま、関係する全ての方々に厚く御礼申し上げます。

ABICの活動モデルが改めて注目されて、その活動が知りたいとの要請が寄せられています。一つは、発端は2年さかのぼりますが、70歳までの高齢者雇用安定政策が立案される過程で、厚生労働省からABICの事業モデルの仕組みを問われ、2020年に発表され2021年4月から施行される法令において、企業と社会貢献団体との契約ベースでのボランティア活動への参加も雇用延長と見なされることとなりました(関連内容は月報前号1・2月号の宮崎事務局長の寄稿ご参照)。

もう一つは、政府が肝いりで推進している地方創生に関わることです。前述の雇用延長に関わる政策展開が65歳までの雇用確保措置の努力義務化として、2000年のABIC誕生と軌を一にして始まり、その後展開が加速されたように、地方創生施策も、1999年の中小企業基本法改正、2005年の地域再生法施行、中小企業新事業活動促進法制定、2014年のまち・ひと・しごと創生法施行、2015年の内閣府プロフェッショナル人材事業開始と、ABICの活動もこの流れとともに成長してきました。そして2021年1月、菅政権は止まらぬ少子高齢化、一極集中の是正、コロナ禍からの経済回復などの要請に基づく地方創生の取り組み、とりわけ地方に対する人材支援施策のさらなる強化に着手しました。2021年2月初めに、金融業界やメーカー、商社業界に展開していくのに際してABICの取り組み実例を承知したいとのことで、坂本哲志内閣府特命担当大臣および林﨑理内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官らへのご説明に参上しました(表紙裏グラビアページの写真ご参照)。ABICの活動状況および高知県をはじめとする各地方での取り組みの特徴、成功の秘訣(ひけつ)や課題について(月報前号1・2月号ご参照)、現場の状況も含めて詳細にご説明しました。坂本大臣は大変熱心に聞いてくださり、等身大のABICをご理解いただく貴重な機会となりました。

ABICは誕生から20年、会員および関係者の皆々さまの熱い思いに支えられて活動を続けてまいりました。感謝の言葉は尽きません。商社業界が環境変化を先取りし機敏にビジネス形態を深化させてたくましく生き抜いてきたように、ABICも挑戦を続け、社会からの要請に今後も力強く応えていきたいと思います。

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