ABICにおける女性活躍

国際社会貢献センター 監事
一般社団法人日本貿易会 政策業務第三グループ 次長
保田 明子

2019年度から国際社会貢献センター(以下ABIC)の監事を拝命しています。この機会をお借りして、ABICにおける女性活躍についてご紹介します。

2020年8月末時点におけるABICの登録会員2,965人のうち女性会員は188人(シェア6%)ですが、最近5年間のABICの延べ活動実績17,660件の中で女性会員によるものは2,593件(同15%)となっており、会員シェアを上回る実績がみられます。また、ABICの活動で大きなシェアを占めるのが大学講座などの教育関係支援、自治体・中小企業支援、留学生支援ですが、それらの活動における女性会員のシェアはそれぞれ12%、1%、45%となっており、ABICの女性会員は留学生支援—具体的には日本語教室・日本文化教室・生活支援などの分野で中心的役割を担っていることが分かります。

ABICの延べ活動実績(2015−2019 年度の累計)


(資料)ABICデータより作成 ※四捨五入しているため合計値が合わない。


1986年の男女雇用機会均等法施行によって入社した大卒女性総合職はまだ60歳前の現役です。また、昨今の女性活躍に対する政策的な要請も背景に、大手商社の新卒総合職社員に占める女性の比率は今や3割近くまで上昇しています。こうした多様な経験を積まれた方々が今後ABICの会員になっていただくことによってABICの女性会員の活動も広がり、ABICの活動全体にも大きな影響を与えていくと期待しています。

7商社新入社員(総合職)における女性比率


(資料)ブレーンズ資料より作成


翻って私自身ですが、貿易論を学んで1994年に日本貿易会に入局し、1997年に貿易会初の育児休業を取得させていただき、多くの方々の理解と協力に支えられ、2020年で入局27年目を迎えました。その間、調査業務に従事する中で商社史研究を始め、2012年からは大学で教鞭(きょうべん)を執る機会もいただき、子育てが一段落した2015年からは大学院にも戻って経営史を研究しています。

女性が働き続けることは言葉で言うほど簡単ではないと思いますが、社会とのつながりを維持し、その中で多くの人に出会い、学び、さまざまな経験を積んでいくことは人生を豊かにしてくれると信じます。私も将来ABICの会員として社会貢献できるよう、今後も精進していきたいと考えています。

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