2020年1・2月号(No.785)
2020 年の世界経済の展望および経営の抱負等について、日本貿易会常任理事へアンケートを実施しました。
(社名五十音順)
米中の貿易摩擦の影響については、引き続き注視する。東南アジア圏からの中国向けの輸出等への間接的な影響が広がっており、懸念材料である。一方で、国内景気はオリンピックイヤーでもあり、インバウンド効果が景気押し上げに寄与するものと期待される。産業としては、高度な通信技術を含むモビリティ産業の発展に注目する。この分野でも重要な地域は中国であると考える。
中期経営計画・NC2020の最終年度を迎え、重点テーマであるライフサイエンス分野、環境・エネルギー分野、自動車分野へ引き続き注力し、着実な成果を上げるとともに、次期中期計画へ向けた準備を進めたい。管理面では重点テーマに掲げた「グローバル経営インフラの整備」に一定の成果を上げることができたが、さらなる高度化・スピード化を実現したい。
中国を除く新興国経済の回復は見込まれているが、米中貿易摩擦や日韓問題、さらに中東情勢などには今後も注視が必要である。一方、国内では、オリンピック・パラリンピックに向けた個人消費やインバウンド需要の増加、そして5Gの商用サービス開始で本格的に普及するIoT / AIがもたらすイノベーションで、底堅い成長を期待する。
国内LPGの顧客基盤の拡充に加え、産業ガス事業における海外展開にも注力する。水素事業については、水素エネルギー社会の早期実現に向け、ステーション整備に加え、安価な水素供給の実現のため海外での水素製造も視野に入れ取り組みを強化する。今後の持続的成長に向けて、積極的な投資を行う年としたい。
米国大統領選挙、米中貿易摩擦、BREXITの他、中東や香港情勢など地政学的リスクもあり、世界経済の不確実性には注視していく。一方、国内では、東京五輪によるインバウンド効果などの特需や、5G本格運用開始によるIoT化の加速などデジタル革新に対応した新たなビジネス創出を期待する。
多様化する国際社会の課題を認識し、主体性と独自性を持った企業活動を通じて持続可能な発展に貢献していく。「規模の拡大」「付加価値の獲得」「質の向上」を念頭に、引き続き事業創造と人材育成に取り組むとともに、働き方改革や女性活躍などを含むダイバーシティ&インクルージョンも推進し、強固かつ柔軟な、社員が生き生きと活躍できる組織を作り、持続的成長の原動力としていきたい。
米中貿易戦争に端を発する世界経済の減速懸念をはじめ、日米貿易協定の第2弾交渉や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の先行きなど、一部に不透明感が残る。中東地域におけるさまざまなリスクにも注視していく必要があろう。国内経済においては、東京五輪・パラリンピックを控え、底堅い成長が期待できる。
グローバルリーダーとなる人材の育成を図り、進取の気概で機動的な経営を実践する。事業横断的な社内プロジェクト化を推進し、AIとIoTを組み合わせたAIoTのロボティクス関連分野にも積極的に投資していく。医薬事業については高脂血症治療剤「パルモディア錠」のメガスタディや、セルフケア商品の海外での事業確立に注力していく。
米中貿易摩擦の長期化や香港問題等の政治的混乱拡大による中国経済の大幅な成長鈍化が懸念されるとともに環境規制によるサプライソースの不安定化が懸念される。また米国大統領選挙の行方によっては、株式市場での波乱も想定され、注視していく必要がある。しかしながら、総じて2020年の世界経済は緩和政策が維持され、緩やかながらも低成長が持続すると見ている。
医薬事業は、欧米を中心にグローバルベースで推進していくとともに環境対応型農薬事業(IPM /総合的病害虫管理)においてもさらにエリアと商材を拡大し、販売に注力していく。トレード部門においては、米中問題を受け多様なサプライソースの開拓に注力していく。今後も新たな分野に積極的にチャレンジし、ニッチでユニークな事業の確立を目指していく。
国内では、端境期であった建築分野の需要が戻り始め、インフラ強化による土木分野の需要は堅調に推移している。海外では、18年秋以降下落していた鋼材市況に、中国等アジア地域で反転の兆しが見られはじめている。しかしながら、中国経済の減速や米中貿易問題による製造業の下押し懸念は継続しており、各地域の景気動向に注視する必要がある。
足元の経済動向は不透明であるが、今後の環境変化に応じて冷静に対応していく。2018年度から始まった第6次経営計画は、「環境に左右されにくい安定的かつバランスの良い収益基盤づくりに向け、足元固めと次の成長に向けた攻めの両立に取り組む」方針であり、最終年度である本年も、やるべきことを着実に進めていく。
世界経済は、2020年の米国大統領選挙に向けたトランプ政権の保護主義的政策が継続し、米中貿易摩擦の長期化で先行き不透明感が継続する。国内経済は、東京オリンピック開催に伴う来日外国人の増加で消費は上向くも、中国経済の成長に減速感が漂っており、輸出の鈍化が企業業績へマイナスとなる事業環境が継続する。
2020年4月に新中期経営計画を発表する。厳しい事業環境をチャンスと捉え、1年前倒しで計数計画を達成した現行経営計画「Chori Innovation Plan 2019」の路線を継承し、新たなステージとなる経常利益100億円台の常態化に向けた経営基盤を整備する。持続的成長を念頭に、海外事業の拡大とデジタル化による次世代型効率運営を推進する。
米中貿易摩擦、英国のEU離脱、国際紛争などが為替や原油価格に与える影響に加え、環境関連の国際合意の動向にも注目する。産業においては、IoT、次世代通信規格、半導体関連事業など、技術情報分野を機会として捉えたい。国内経済は株高見通しや東京オリンピック・パラリンピック開催など明るい話題もあり堅調に推移することを期待している。
最終年度となる中期経営計画「ACE-2020」を完遂するとともに、次世代に向けた施策を積極的に講じる。ライフ&ヘルスケア分野では、2019年に買収した食品素材販売チャネルをグループのバイオ技術と融合させシナジーを追求する。ソリューション提供の幅を広げるべく、デジタルマーケティングのプラットフォーム構築、環境ビジネスの具体化などに挑戦する。
デジタルの進化と地球環境問題に注目していきたい。加えて、言わずもがなではあるが、米中貿易問題に代表される保護主義・自国第一主義の行く末、金融緩和継続の行く末、ブレグジット、米国大統領選挙、朝鮮半島情勢、中東情勢、香港情勢等々多くの政治経済動向がわれわれにどう影響してくるかを読み解きa、対応していく必要がある。
現行中期経営計画の最終年であり、これを確実に達成し、さらに質の高い成長を目指したい。DX、SDGs、グローバル等の視点から、鉄鋼、産機・インフラ、繊維、食糧4事業の成長施策と総合力により、事業構造・会社運営の質を高め、安定的な利益成長そして企業価値のさらなる向上を図りたい。
温暖化の影響による台風などの自然災害が常態化する中、EV向けのみならず非常用も含めたバッテリー需要は右肩上がりとなり、当社のインドネシアでの合弁投資など、環境関連の投資が注目されそうだ。米中貿易摩擦の影響もあり世界のマクロ経済が減速する中、厳しい年明けとはなろうが、人は不況になると永遠に続くと思いがちだが、トンネルを抜けたら明るい。世界的には人口は増え経済は成長していく。
新たな中期経営計画を発表する年だが、その先の5年から10年先も見据えて利益を上げていけるような種まきの投資はできたと思っている。三つのS(STEADY、SPEEDY、STRATEGIC)を確実に進めて、将来につなげたい。基幹システムの構築など、当社始まって以来の大型IT投資を進めており、RPAの導入なども含めて業務の標準化、効率化を進めていく。
2019年の世界経済は、総じて減速・停滞局面にあったが、2020年は、長期化する米中貿易摩擦も追加関税率引き下げなど改善方向にあるため、緩やかに景気が回復していくと予想される。日本では、オリンピックとその後を見据えた公共事業中心の経済対策や中国向けなどの輸出回復を背景に、企業の設備投資が持ち直し、底堅い成長が期待される。
2019年度から、新たに「2021中期経営戦略」をスタートした。コア技術である「見る・測る・分析する」を基盤とした技術・製品・サービスを通じてソリューションを提供することで、社会課題解決の実現と収益性向上を目指す。世の中から必要とされる企業であり続けるために、さらなる成長と社会貢献を通じて企業価値の向上に努めていきたい。