外務省 「官民合同テロ・誘拐対策実地訓練」体験記

2019年11月15日に開かれた外務省主催「官民合同テロ・誘拐対策実地訓練」に当会職員が参加した。逃げるのか降伏するのか、戦うのかというテロ現場での瀬戸際に備えた実地訓練である。

パワーポイントでの説明と事件映像を交えての座学と、外国籍の退役軍人のデモンストレーションを踏まえた場面ごとのテロ実地訓練が行われた。止血体験や心臓マッサージ体験も盛り込まれ、現場でどう行動するか身をもって学ぶことができる。

以下当会山本と竹村の感想をご紹介する。


ほふく前進の訓練をする参加者たち。
戦闘のプロフェッショナルからの直接指導も。


日本貿易会 政策業務第三グループ長 山本 大介


テロや襲撃は日本では身近ではないが、実際に遭遇した場合にはまず逃げる、逃げられなければ隠れる(Run or Hide)という判断を瞬時にし、判断すると同時に行動に移すのが大切と教わる。だがやってみるとどうしたらよいか立ちすくんでしまう。心臓マッサージを交代で連続して行ったり、専用の止血帯を使ったりするなど実際的な訓練もあったが、十分な硬さで適切に固定するのは難しい。お土産物屋で買い物をする設定では、値段交渉をしていたら一瞬で口をふさがれて体が浮き、見事に誘拐されてしまった。全くの想定外で恥ずかしい限り。やはりこのような訓練を体験することが大切と感じた。


(1)


(2)


(3)


(4)


お土産物屋での誘拐実地訓練。同行者の気付かぬ間に遠くに連れ去られる。


日本貿易会 政策業務第一グループ 竹村 晃子


今やテロや襲撃はいわゆる危険地だけではなく先進国でも発生しているが、日本で生活していると非日常に感じてしまい、どのように行動すべきか考える機会もないため、襲撃発生という事態にはとっさに反応できず固まってしまう。今回もバスジャックの実習に参加した際には、訓練と分かっていても大声で脅されると焦ってしまい、貴重品を手放し降参するのに手間取ってしまった。自分の身を守る行動を座学等で知識として習得することと、演習であっても実際に素早く反応し実行に移すことを一度体験することはやはり違うと痛感し、より多くの人に体験してもらいたい訓練だと感じた。



ほふく前進訓練に参加する当会山本と竹村。
緊張した面持ちで安全確認を行う。


テロリスト役の指導員たちは
まるで本物の戦闘員のような威圧感。


戦うしかない状況を避け、生き延びるためのノウハウが詰まった本研修。次回以降のスケジュールはこちらに掲載されるので、参加希望の方はご確認いただきたい。


外務省海外安全ホームページ 官民合同テロ・誘拐対策実地訓練(国外・東京)
お問い合わせ先:外務省 領事局 邦人テロ対策室 Tel 03-3580-3311(内線 3047)

外務省 「官民合同テロ・誘拐対策実地訓練」体験記 誌面のダウンロードはこちら