日本貿易会主催 商社のための海外赴任前研修

NPO法人海外安全・危機管理の会 専務理事
長谷川 善郎

NPO法人
海外安全・危機管理の会 専務理事
長谷川 善郎

本研修では、日本貿易会正会員会社の皆さまに対して、海外へ赴任する方が着任後できるだけ現地でスムーズに活躍するために、海外経験豊富な講師より、海外安全対策、異文化理解、法務・コンプライアンス、労務管理について学ぶことができる。(詳細はP.50 貿易会だより「海外赴任前研修」参照)
今回のミニ特集に合わせて、本研修で海外安全対策などの講師を務めている長谷川善郎氏からコメントをいただいた。


赴任前研修の講義で学べること


現地の最新情報はもちろん、強盗やテロ、誘拐、事故、健康管理の対処方法、受講者の渡航先に合わせたビジネス上の異文化理解、有事の際の緊急対応もセミナーではレクチャーしています。海外安全について具体的にアピールし受講者に強く印象付けられるよう映像を利用し、できる限り臨場感のある強盗や爆弾テロ、銃撃、誘拐の対処のための実地訓練も行います。

緊急事態への対応~現地で共に働くお客さまと一緒に

緊急事態には大使館にも連絡がつかない場合があるので、事前に自分で想定して備えをすることが大切です。緊急事態には予兆がある場合と突然起こる場合の2種類があります。予兆がある場合には発生前の準備が鉄則です。現地で一緒に働くお客さまへの配慮も駐在員の務めだと考えています。仕事の段取りも大切ですが、まず命を守ること。日本に避難した上で、情勢が落ち着いたら現地に戻って立て直せばいいのです。

油断は禁物

現地では仕事が忙しく、危険情報を知っていても渡航者が配慮できないことがあります。「これくらいは大丈夫だろう」という油断が事件・事故のもとになってしまうケースが少なくないのです。渡航者が自分の行動に十分注意を払わないと、会社がリスクを負うことにつながることも常に念頭に置いて赴任していただきたい。

第三者の視点を考慮したマネジメント層の定期的な安全対策チェック

マネジメント層が社外の第三者と年に1回でも面談し、安全対策のチェックを行うことが重要です。専門家の意見を聞いてかぶとの緒を締める。現地に専門家を派遣して、現地でのセキュリティ調査や指導・研修、現地責任者との面接を通じて、抜け目がないか確認してもらうことも必要だと考えます。

事件・事故はいつか必ず起きると想定して、その前にしっかり予防と(起きた時の)対処訓練をしていくことが大切です。

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