日本貿易会副会長による 「新年の抱負」

豊田通商株式会社 社長加留部 淳
住友商事株式会社 社長中村 邦晴
丸紅株式会社 社長國分 文也
三井物産株式会社 社長安永 竜夫
三菱商事株式会社 社長垣内 威彦
双日株式会社 社長藤本 昌義

日本貿易会副会長の「新年の抱負」の要旨をご紹介します。

豊田通商らしい「飛躍」を目指す


一般社団法人日本貿易会 副会長
豊田通商株式会社 社長
加留部 淳

世界経済は持ち直し基調にあるものの、北朝鮮の挑発行為による緊張感の高まり、ブレグジットの動向や米国の保護主義的な通商政策など、リスクも潜んでいる。

一方、産業界では、全業種において「テクノロジーの進化」が急速に進み、特に自動車関連事業では異業種から新たな企業が参入するなど、「100年に一度」の変化が現実のものとなって表れ始めている。

われわれは、これまで培ってきた豊田通商らしさを大切にしながら、大きな環境変化のネガティブな影響を抑え、ポジティブな影響を少しでも多く取り込んで、新しい豊田通商らしさを創造しながら「飛躍」を目指したい。

新たなステージに向けた進化と飛躍の一年


一般社団法人日本貿易会 副会長
住友商事株式会社 社長
中村 邦晴

地政学リスクは緩和されない状況が続く一方、世界経済は安定成長すると見通している。人々の行動様式の変化や新たな技術を利用したビジネスモデルの革新は一層スピードを増すだろう。

そうした環境下、合言葉「即実行」「半分2倍」を掲げ、働き方改革・働きがい改革に取り組む。役職員が仕事に夢を持ち、失敗を恐れず取り組む風土を醸成する。当社の強みである社内組織間の連携を一層強化する。さらに、当社の6つのマテリアリティに向き合い、当社の持続的成長と社会の課題解決の両立を図っていきたい。

今年は、新社長の就任、新中期経営計画の開始、大手町新社屋への本社移転等が予定され、当社の節目となる。新たなステージに向けた進化と飛躍を遂げるための一年としたい。

時代の変化をつかみ、従来の枠組みを超えたビジネス創出へ


一般社団法人日本貿易会 副会長
丸紅株式会社 社長
國分 文也

米中を軸とするダイナミズムの変化、金融環境の正常化、そして産業構造と競争環境の変化と、世界は大きな変革期を迎えている。これは、商社にとって爆発的な付加価値を生み出す新たなチャンスであると同時に、このチャンスを捉えることができなければ、即、脅威ともなる。

2018年、丸紅は創業160周年を迎える。長い歴史の中、当社は刻々と変化する社会・産業・顧客ニーズに素早く呼応し、変貌を遂げてきた。これからの時代においても、グループ全体の資産、事業、ビジネスモデル、ネットワークをフル活用して、従来のビジネス・商品軸を超えた掛け合わせを追求し、新たな化学反応を起こしていく。

今年は、「従来の総合商社の枠を超えた商社」へ生まれ変わる端緒となる年にしたい。

三井物産らしい価値創造の実現


一般社団法人日本貿易会 副会長
三井物産株式会社 社長
安永 竜夫

昨年は、世界の秩序や価値観が変容し、デジタル技術の進化が、社会、ビジネス全体に大きな影響を与えていることを実感。当社を取り巻く全ての領域で熾烈な競争が繰り広げられると同時に、新たなビジネス機会も広がっている。

消費者へのパワーシフトが進む中、今後はビジネスとタレントのLocalizationとデジタル・トランスフォーメーションが成長に向けた鍵となる。

連結三井物産グループは、拡張と収縮を繰り返しながら絶えず変化する多様な事業領域と長い歴史の中で培ってきた強い顧客基盤を有する。そこに世界に広がるネットワークや三井物産ならではの機能を掛け合わせ、新たなビジネスモデルや新事業を創出し、三井物産らしい価値創造を「プレミアム」という形で実現させていきたい。

事業構想力で「成長の芽」を見いだす


一般社団法人日本貿易会 副会長
三菱商事株式会社 社長
垣内 威彦

巨大ITプラットフォーマー企業のさらなる成長、自動車のEV化・自動運転化、各産業でのAI / IoT導入が継続し、中長期で世界経済は好調に推移するとみている。一方で世界最強の一国となりつつある中国と米国との競争の中で生ずる軋あつ轢れきによる影響には注視して政策決定にあたる。

あらゆる産業において根本から立ち位置が変わるような「産業革命の真っただ中」といえる環境下、社員一人ひとりの構想力と実行力で事業の成長の可能性を常に問い続け、「業界再編」・「AI / IoT」・「プラットフォーム」という三つの視点で次の成長の柱の創出にチャレンジしていく。その結果、経済価値・社会価値・環境価値を同時に実現しつつ、持続性のある企業価値の創出を果たしていく。

「現場力」×「スピード」×「イノベーション」


一般社団法人日本貿易会 副会長
双日株式会社 社長
藤本 昌義

双日においては、昨年6月の社長就任以来述べてきた三点、「現場力向上」「スピード」「イノベーション」を引き続き追求していきたい。

数多くの成功や失敗の経験を積むことは商社の人間にとって非常に本質的であり、今ある仕事の先を見てそれを進化させることによって起こるイノベーション創出に経験者の時間を振り向ける、そのために組織に人的余裕を持たせ、業務の組織内での引き継ぎを積極的に行うことが非常に重要。社内の忖度(そんたく)をできるだけ排しスピード向上も実現したい。

双日として、発足から15年目を迎え、さらなる成長を目指す上で重要な一年となる。私自身、上記三点の追求を推進していきたい。

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