頑張れアフリカ


アフリカ諸国はようやく窮地を脱し、安定した経済成長の道を歩み始めたようである。アフリカ地域は石油、金属等の天然資源の宝庫といわれて久しいが、その資源をけん引力として、2007年までに4年連続で5%を超える成長を達成した。2000年代に入り、紛争が減少し、地域が比較的安定する中、ここ数年の資源高騰により資源開発は急ピッチで進んでいる。

この状況に呼応する形で、日本の商社はモザンビーク・アルミ精錬プロジェクト(三菱商事)、赤道ギニアLNGプロジェクト(三井物産、丸紅)、マダガスカル・ニッケル/コバルト開発・精錬プロジェクト(住友商事)、ナミビアLNGプロジェクト(伊藤忠商事)等、資源案件を推進している。商社は、徐々にではあるが、わが国の資源を確保すると同時に雇用創出やCSR活動を通じ、地域にも貢献してきている。

一方、世界最貧困層は10億人いるといわれるが、そのうちの多くがサブサハラのアフリカ地域に集中しており、貧困と飢餓の根絶、初等教育の完全普及、感染症への対策等、人間の安全保障が依然として深刻な問題となっている。加えて、資源の統治や管理、インフラの整備、新たな産業および雇用の創出、そのための人材の育成等経済を持続的に発展させていくうえで、課題は山積している。これら諸問題について、改善の方向性が見えてくれば、商社をはじめとする民間セクターのアフリカ進出は加速することが予想される。そのような状況の中、日本政府は5月に第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)を横浜で開催する。また7月には北海道洞爺湖サミットが開かれ、地球温暖化対策とならび、アフリカ支援が主要議題となる。2008年はアフリカへの注目が高まると同時に国際社会による中長期的な視点での支援の強化が期待されている。

この機会をとらえ、アフリカの魅力と課題を念頭に置きながら、アフリカが真に自立するために国際社会および日本政府はどのようにかかわり、支援していくことが望まれるのか、アフリカにおいて商社が果たすべき役割は何かについて考えてみたい。

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