バンコク ―誰にでも温かい心を見せてくれる「ほほ笑みの国」

JFE商事株式会社 経営企画部広報室、
タイJFE商事会社


東南アジアで唯一植民地になっていないタイ王国、そのためか外国人に対してとても開放的で、世界中の企業が集中し、首都バンコクの経済発展は著しいものがあります。一方で古くから信仰心が厚く、多くの寺院が残り、今でも地元の方にとって大切な場所です。そんなバンコクの現状とタイJFE商事会社現地スタッフによるバンコクの見所を紹介します。


1.タイ王国と首都バンコクについて


アジアでも有数の経済都市バンコクを首都とする、タイ。いくつかの民族が融合し独自の文化と発展を遂げてきました。正式国名はタイ王国(King of Thailand)。国王を元首とする立憲君主国です。面積は51万3,115㎢(日本の約1.4倍)。人口は6,408万人(2011年現在)、その約3分の1がバンコクに集中しています。広大な東北部にも同程度の人口が住んでおり、労働力の供給源となっています。大多数がタイ族で全体の85%を占め、その他華人系、マレー系、インド系、カンボジア系などさまざまな民族で構成されています。人口の95%が上座部仏教を信仰しており、その他イスラム教徒(4%)、キリスト教徒等がいます。タイの方の人柄ですが、昔からタイはイサーンと呼ばれる東北部を除き食料が豊富で裕福な国です。それ故争いが少なくおっとりとした国民性です。庶民の生活と仏教とは密接な関係を持っていて非常に信仰深いです。またタイ人はサヌック(楽しい)サバーイ(快適)を大事にしていますし、お化けを真剣に怖がる人も多くかわいい一面もあります。
北緯30度辺りに位置するタイは熱帯モンスーン気候に属しています。年間の温度差が小さく、年間平均の最高気温はタイ中央で33.7度、最低気温が24.7度、平均気温が28.5度。暑いといえば暑いのですが40度を超すような猛暑は、暑期の炎天下を除けばめったになく、とても過ごしやすい気候です。季節を大まかに分けると、雨期(5月中旬-10月)、乾期(10月-2月)、暑期(2月中旬-5月)の3つの季節があり、国土も南北の距離が最も長い部分で1,860㎞。南北の緯度の差が16度あるため、同じ熱帯でも地方によりさまざま な変化が見られます。
東南アジアで唯一どこの国の植民地にもなることなく、独自の文化と発展を遂げてきたタイ王国は、少なくとも5,000年前には稲作を始めた世界最初の農耕民族といわれています。豊かな大地のもとに生まれた各王朝時代を経て、現在のタイ王国が少しずつ形作られていきました。また昔、タイは「シャム(サイアム)」(「タイ語を話す人」の意味)と称 していましたが、1949年に、現在の「タイ王国」と改められました。「タイ」は自由を意味する言葉です。
庶民の生活と仏教は密接に関わっており非常に信仰深く、バンコク市内だけでも3,000以上の寺院があるといわれています。信仰心は日常生活の中にも表れており、例えば頭は神聖なものとされているため、相手が子どもであっても触ってはいけません。また、男性の場合は短期間でも人生で一度は出家しなくてならないため、中には会社を休む人もいるほどです。お坊さんはオレンジ色の布を身にまとっているので街中で発見するのは容易。タイでは僧侶は格が高いので女性から話かけたり、僧侶に触れたりしてはいけないそうです。なんと電車の優先席は妊婦とお年寄りとお坊さんと書いてあるほど、とても特別な存在のようです。
近年のタイの経済発展は著しいものがあり、GDPは345,650百万ドル(2011年)を誇り、多くの日系企業も進出しています。東南アジアではシンガポール、クアラルンプールに次ぐ第3位の金融センターとして世界から評価されています。


2.バンコク交通事情


バンコクはその人口の多さと路地の狭さから交通渋滞とクラクションの音は街中至る所で見聞きします。情緒あふれる乗り物もたくさんあり、まさにより取り見取り。でも少し危険な感じは否めません。ちなみに首都バンコクを除けば公共交通機関はほとんど発達していません。
ここではいくつかの交通機関をご紹介していきます。
◆電車:タイには総延長4,000㎞ほどの国有鉄道(国鉄)が敷設されています。タイの人たちにとって、鉄道は長距離を比較的安く移動できる交通手段として利用されています。
◆スカイトレイン(BTS):ウィークエンドマーケットへもBTSを使えば1本で行けます。1999年12月5日に開通した高架式の鉄道。乗客数に比べ車体は4両編成と少し短いのでいつも混んでいます。
◆路線バス:最低4バーツ(約10円、THB=JPY2.5)~。路線が多く、また種類も豊富 なバンコクのバス。エアコンあり、なしで料金が異なります。複雑なので最初は乗りこなすのに苦労しますが、慣れてしまえば料金も安く便利です。
◆タクシー:排気ガスで空気が悪いバンコクの街中も関係ナシの快適さ。初乗り料金は35 バーツ(約88円)と日本に比べると非常に安い。タイ人もよく利用するが、乗車拒否は日常茶飯事。行く先を運転手に告げて、OKならば乗れる仕組みです。
◆トゥクトゥク:タイらしさ満点の乗り物。タイらしい乗り物といえばコレ。小型のオート三輪車で、派手なルックスがキュート。
◆モーターサイ(オートバイタクシー):細いソイ(路地)もなんのその。フットワークの軽さならコレ、いわゆるバイタク(オートバイタクシー)のことで、客は後部座席に乗ります。
◆地下鉄(MRT):快適な地下鉄で、交通渋滞関係なし。2004年7月、バンコクでタイ初の地下鉄が開通。MRTと呼ばれていますが正式にはMass Rapid Transit。日本の出資により建設、車体はBTSと同じもの。


3.バンコクを余すことなく堪能するおすすめ1dayプラン


観光地を紹介していただいたナショナルスタッフ、
タイ名物のスイーツ・シロップバナナと共に
(左:スピチャイさん、右:カニタさん)


タイJFE商事会社で働くナショナルスタッフよりバンコクのおすすめ観光スポットを紹介します。全て日帰りで行くことのできる場所にあり、順番に午前から回ることをおすすめします。


ウィマンメーク宮殿

①ウィマンメーク宮殿
 -昔のタイの栄華を体感-
かつてシャム王国(タイの旧名)を治めたラーマ5世の別荘。世界でも珍しくチーク材でできています。1982年に博物館となり、王が世界各国から集めた銀器や陶磁器、クリスタル製品、象牙、タイの芸術作品などが展示されています。庭の緑がきれいなので、朝の散歩にもおすすめです。


ワット・ポー

②涅槃像(ワット・ポー)
 -マッサージが受けられる寺院!-
バンコクで最も古く最も大きな境内を持つ寺院の1つ。シンボルの涅槃像は全長50m以上を誇ります。タイで初めての大学が置かれた寺院でもあり、今でもタイ式伝統マッサージの学校が残されマッサージを受けることができます。


御座船博物館

③王室御座船博物館
 -タイの王宮文化に触れる-
タイ国王の生誕記念や国家行事の際にチャオプラヤー川を走る王室の船が8隻展示されています。国王専用の「スパンナホン号」は、全長約45mもあり、船首には神話上の白鳥が彫刻されるなど、非常に豪華な装飾が施されています。


プロヴァンス

④レストラン「プロヴァンス」
 -タイの名物料理を堪能-
ラチャダムリ通りにある高級ショッピングプラザ「ペニンシュラプラザ」の中のレストラン。おすすめは牛肉や豚肉が入った牛の血入りヌードル「クイッティオ・ルア」。スパ イスが効いてコクがあってとてもおいしいです。ここは雰囲気がとても良く、のんびりと食事ができます。食後のデザートにはバナナをシロップで煮込んだタイのデザート、「シロップバナナ」をぜひ。


⑤プラチナム・ファッションモール
 -そろわないアイテムはない!? -
店舗数約2,500店、アジア最大級の衣料卸問屋が軒を連ねるショッピングモールで、ありとあらゆるものが安くそろいます。1日いても見きれないほどです。


ヘルスランド

⑥ヘルスランドでタイ伝統マッサージ
 -毎日通いたくなる値段の安さ-
治療を目的としたマッサージを行うクリニック。豪華で広々した店内は清潔で、地元の方をはじめ常に大勢の外国人でにぎわっています。2時間450バーツ( 約1,120円)で、満足のいくマッサージを受けられます。


⑦アジアティーク ザ リバーフロント
 -バンコクの「今」を発信する-
昔、貿易の地として栄えたチャオプラヤー川沿いは、「アジアティーク ザ リバーフ ロント」という名前となり、話題のナイトスポットとなりました。バンコクのトレンドの発信地でもあり、買い物、食事、映画などが楽しめます。


アジアティーク


Above Eleven

⑧ルーフトップバーAbove Elevenでお酒を楽しむ
 -オシャレな大人のナイトスポット-
仕事帰りやデートに大人たちが集うルーフトップバー。壮大なチャオプラヤー川に夕日が沈む午後遅い時間帯がとても美しく、ベストタイム。ディナーの後に夜景を見ながらお酒を楽しむのもロマンチックでオススメです。
DJは日替わりで、音楽によって雰囲気もガラリと変わります。


4.バンコク駐在員が感じた驚き


タイの人々は敬虔な仏教徒であり、王室をとても尊敬しています。タイJFE商事のオフィスもそうですが、必ず国王、王妃の写真が飾ってあり、毎日朝8時と夕方の6時に公共施設、公園、広場、テレビやラジオでは国歌が流れます。国歌が流れてきているときは歌わなくてもよいのですが、直立不動の姿勢をとる必要があり、この姿勢をとらない場合には不敬罪で警察は逮捕することができるそうです。映画館でも必ず始まる前に国王の映像と国王賛歌が流れ、日本以上にロイヤルファミリーが身近な存在のように思えます。

バンコク ―誰にでも温かい心を見せてくれる「ほほ笑みの国」 誌面のダウンロードはこちら