「SDGsと商社」特集

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられた国際目標である。「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という理念の下、2030年までに持続可能な世界を実現することを目指し、17の目標・169のターゲットから構成されている。

前身のミレニアム開発目標(MDGs)が主に開発途上国向けの目標であったのに対し、SDGsは先進国も含め、全ての国が取り組むべき普遍的な目標となっている。国や国際機関だけでなく、企業や地方自治体、NGO/NPO、そしてわれわれ個人に至るまで、目標達成に向けた行動が求められている。

SDGsの理念が浸透し目標達成に向けた行動が広がりを見せる中、当会では2019年度の重点事業の一つとして「SDGsの達成に向けた商社の取り組み」をテーマとする特別研究会を2019年5月に立ち上げた。本研究会には、会員商社19社が参加し、日本のSDGs研究の第一人者である蟹江憲史氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授)を主査に迎え、およそ1年かけて議論を重ねた研究成果として、2020年7月に『SDGsと商社』を刊行した。

本特集では、本研究会を座談会形式で振り返りつつ総括した上で、会員企業や官庁・メディア関係者の寄稿を通じて、『SDGsと商社』では紹介できなかった会員企業の取り組みの他、SDGs達成に向けたわが国の取り組みの現状や商社業界への期待をとりまとめた。SDGs達成のための「行動の10年(Decade of Action)」に突入した今、本特集が会員企業をはじめ関係者の皆さまの参考となれば幸いである。

持続可能な開発目標(SDGs)の詳細


目標1(貧困)
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる


目標2(飢餓)
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する


目標3(保健)
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する


目標4(教育)
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する


目標5(ジェンダー)
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う


目標6(水・衛生)
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する


目標7(エネルギー)
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する


目標8(経済成長と雇用)
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する


目標9(インフラ、産業化、イノベーション)
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る


目標10(不平等)
国内及び各国家間の不平等を是正する


目標11(持続可能な都市)
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する


目標12(持続可能な消費と生産)
持続可能な消費生産形態を確保する


目標13(気候変動)
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる


目標14(海洋資源)
持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する


目標15(陸上資源)
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する


目標16(平和)
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する


目標17(実施手段)
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

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