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Meiji Seikaファルマの医療用医薬品事業
2017年5月号（No.758）
Meiji Seika ファルマの始まり
90年以上の歴史を有する明治製菓と明治乳業が2009年に経営統合し、明治ホールディングスを持株会社とする新しい明治グループが誕生しました。その後2011年に乳製品、菓子を扱う㈱明治と医薬品、農薬、動物薬を扱うMeiji Seikaファルマ㈱に事業が再編されました。2016年10月に明治グループは創業100 周年を迎えました。
抗生物質の明治へ
ペニシリン・明治のポスター
当社の医薬品事業は、1946年にペニシリンの生産・販売を開始してから70年にわたる歴史があります。
ペニシリン製造に続き1950年に結核に有効な抗生物質「ストレプトマイシン」を発売、続いて「クロルテトラサイクリン」を発売し、抗生物質事業の基盤が形成されました。そして1958年には国産初の抗生物質「カナマイシン」を発売しました。「カナマイシン」は当時日本からの輸出薬のトップになった薬剤であり、現在でも抗結核薬として世界で広く使用されています。
1990年に発売した「ハベカシン」は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）感染症の治療薬として国内で初めて承認されました。1994年には自社創薬経口抗生物質「メイアクト」を発売しました。抗菌力が強く、幅広い感染症に使用され、現在では標準治療薬として認められています。日本だけではなくスペインやトルコなど、世界28ヵ国で発売されてきています。そして2009年には世界初の経口用カルバペネム系抗生物質である「オラペネム」を発売するなど、感染症に苦しむ人々の治療に貢献してきました。現在も継続して世界的に問題となっている多剤耐性菌感染症治療薬の研究を行っています。
新たな領域へ挑戦
当社の挑戦は感染症にとどまらず、抗うつ薬などの中枢神経系領域に広げてきました。1999年に今まで日本にはなかった新しいタイプの抗うつ薬（日本初のSSRI）「デプロメール」を、2009年には世界で唯一のノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬「リフレックス」を発売し、日本のうつ病治療の進展に大きく貢献しました。
2016年には、新薬・抗精神病薬「シクレスト」と新規経口アレルギー性疾患治療薬「ビラノア」を発売しました。
また、当社は新薬事業で培ってきたノウハウを活かし、他社に先駆けて、ジェネリック医薬品事業に進出しました。抗生物質、中枢神経系だけではなく、高血圧薬など生活習慣病の薬でも高いシェアを獲得しています。ジェネリック医薬品においても、新薬と同じレベルでの品質、情報提供、安定供給に力を入れており、医療機関から高い評価を得ています。
アダント
このように、当社は新薬事業に加え高品質なジェネリック医薬品の供給を行っており、「スペシャリティ＆ジェネリック・ファルマ」として多様な医療ニーズに応えています。
シクレスト
メイアクト
リフレックス
海外への事業展開
成長が期待されるアジア市場をはじめ世界各国へ
当社は1954年から抗生物質の輸出を開始し、多くの国に「メイアクト」をはじめとしたmeijiブランドの医薬品を届けています。1974年にPT.メイジ・インドネシア・ファーマシューティカル・インダストリーズ、1979年にタイ・メイジ・ファーマシューティカルCo.,Ltd.、1991年にはスペインにテデック・メイジ・ファルマSAなど海外グループ会社を設立し、現地での生産、販売に加え、日本への輸出も増加しています。
2015年、PT.メイジ・インドネシアでは日本向けペニシリン系注射剤のジェネリック品の生産を開始しました。現在では日本向けペニシリン系注射剤の大きな供給拠点となっており、生産量は年々伸びています。
スペインにあるテデック・メイジ・ファルマSAはヒアルロン酸関節機能改善剤「アダント」を製造しています。同剤は2015年9月に米国FDA（食品医薬品局）の承認を取得し、翌2016年に米国でも発売されました。
当社は新しい分野への展開も進めています。2013年には、将来の製薬産業成長の原動力であるバイオ医薬品事業に進出するため、韓国にDMバイオLimitedを設立しました。
また2015年にはインドのメドライクLimitedがグループ会社に加わり、安価な医薬品製造体制をベースとしたジェネリック製剤の受託製造（CMO）・受託開発製造（CDMO）などの新たな事業基盤を構築していきます。
PT.メイジ・インドネシア
DMバイオLimited
メドライクLimited
最後に
当社は、新薬・ジェネリック医薬品・農薬・動物用医薬品の各事業において、有用で高品質な製品の研究開発、安定的な供給および製品情報の適切・迅速な提供などを通じて、患者様、医師・薬剤師・医療従事者、獣医師・農業生産者などのユーザーの皆さまに貢献することによって、社会的責任を果たしてまいります。また国際展開力を有する製薬会社として、世界の人々の健康に貢献する企業グループを目指しています。