日本貿易会副会長による 「新年の抱負」

三井物産株式会社 社長安永 竜夫
双日株式会社 社長藤本 昌義
伊藤忠商事株式会社 社長鈴木 善久
豊田通商株式会社 社長貸谷 伊知郎
丸紅株式会社 社長柿木 真澄
住友商事株式会社 社長兵頭 誠之

真の変革と成長に向けて


安永 竜夫
一般社団法人日本貿易会 副会長
三井物産株式会社 社長

新型コロナウイルス感染の世界的な拡大に直面してから約1年が経過しているが、不確実性がグローバルベースで高まり、将来を予測することがますます困難な時代となっている。

当社は長年にわたり、時代や社会の変化にあわせ、挑戦と創造の精神で自己変革と進化を繰り返し、自らの業態を多様化させながら、産業価値を創出してきた。

中期経営計画のテーマである、「変革と成長」を有言実行で実現し、持続的な発展につなげていくためには、これまでの常識・慣習を含めゼロベースで見直ししていく必要がある。

私たちの「多様性」を力に、たゆまぬ「学び」を続け、それを「行動」に移していくことで、必ず成長につなげていくことができると信じ、2030年に向かって新たなステージで躍動する三井物産グループをつくり上げていきたいと思う。


次期中期経営計画の初年度を迎えるに当たって


藤本 昌義
一般社団法人日本貿易会 副会長
双日株式会社 社長

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社を取り巻くビジネス環境の変化のスピードは加速している。変革し続けることが求められ、変化しないことに危機感を感じ、果敢にチャレンジしていく。

今後は、規模感あるビジネスの創出を追求し、成長が期待される分野にリソースを集中していく。そして、ビジネスにおける鮮度をこれまで以上に意識の上、組織としてのスピードを上げていく。

一方、変わらないことは「必要な場所に必要なものを届ける」という使命。改めてこの原点に立ち返り、当社がどのような社会的価値につながっているのかを見つめ直し、社会のニーズ・課題を徹底的に把握した取り組みを行う。


「三方よし」の精神でビジネスを進化


鈴木 善久
一般社団法人日本貿易会 副会長
伊藤忠商事株式会社 社長

2020年は、パンデミックにより環境が激変し、一寸先は闇ということを実感させられる年になった。経済は徐々に回復へ向かうと期待するが、先のことは分からない。「居安思危」という言葉があるように、有事への備えを忘れず、当社の商いの三原則である「か・け・ふ(稼ぐ・削る・防ぐ)」を徹底し、持続的成長を目指す。

コロナを契機にデジタル化、消費行動変化はさらに加速。データも活用し、消費者視点でビジネスを組み立てる「マーケットインの発想」で事業変革を推進する。また、SDGsの潮流が広がる中、脱炭素などの環境や社会課題解決にも取り組んでいく。

不透明な環境でも、世の中の構造変化や経済環境の変化を捉えて先手を打ち、果敢に前進することが重要。伊藤忠らしく「三方よし」の精神で世の中・お客さまと向き合い、ビジネスを進化させていく。


持続的な成長に向けグループ一丸となって突き進む


貸谷 伊知郎
一般社団法人日本貿易会 副会長
豊田通商株式会社 社長

ウィズコロナ・ポストコロナの世界で持続的に成長するために、人々の生活・社会の基盤を成す領域「エコノミー・オブ・ライフ(命を守る経済)」に関わるビジネスは、意志を持って取り組む。ビジネスにおける付加価値の最大化を徹底し、特にデジタル技術を活用することで、お客さま・パートナーと共に成長していく。また、マテリアリティへつながる四つの分野、「ネクストモビリティ」「再生可能エネルギー」「循環型静脈事業」「アフリカ」への取り組みを加速させ、意志を持って経営資源を集中する。一人一人が専門性を高めた強い個をチームパワーで結集し、強い組織に変化させ、豊田通商グループ一丸となって突き進む一年としたい。


丸紅グループのやるべきこと~非連続の変化の中で~


柿木 真澄
一般社団法人日本貿易会 副会長
丸紅株式会社 社長

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響拡大に加え、世界情勢・国際秩序の変化やサステナブルな社会への急速なシフト等、非連続の変化へのさまざまな対応を迫られた一年となった。

その中で改めて確認できたのは、われわれのやるべきこと。それは「社会・顧客の課題と向き合い、タテの進化とヨコの拡張により価値を創造していく」ことの追求。

危機の真っただ中の状況だからこそ、社是「正・新・和」の精神に立ち返り、グループ一丸となって、新たなビジネスモデルに挑戦し、中長期的な企業価値向上を目指していく。

2021年度は中期経営戦略GC2021の最終年度。既存事業基盤の強化と新たなビジネスモデル創出を同時に追求し、2030年に向けて大きな飛躍を目指す。


新たな価値創造と持続的成長に向け、力強く一歩を踏み出す


兵頭 誠之
一般社団法人日本貿易会 副会長
住友商事株式会社 社長

世界情勢や事業環境が目まぐるしく変わり、With コロナ/ After コロナの新たな生活様式や変化する社会ニーズへの対応を迫られる中、住友の事業精神、当社グループの経営理念、行動指針という「初心と基本」に立ち返るとともに、ニューノーマルへの動きをチャンスと捉え、当社グループを挙げて「挑戦」する。また、既に取り組んできている構造改革をギアアップし、新年度から始まる次期中期経営計画のあらゆる制度、施策を着実に実行することで、稼ぐ力を回復し成長軌道への回帰を目指す。その中でサステナビリティ経営の高度化を推進し、社会と共に持続的に成長する経営を実践する。この2021年は「稼ぐこと」の基本にこだわり、全役職員で力強く次の一歩を踏み出す一年としたい。

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