日本貿易会月報オンライン
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ベトナム ハノイならびにダナン国際空港における免税店運営について
2019年3月号（No.776）
1. JALUX DUTY FREE VIETNAM とは
株式会社JALUXが51%、現地企業であるTHANG LONG AIR SERVICESCORPORATIONが49%を出資する、2015年に設立された免税店運営会社JALUXTASECO DUTY FREE CO.,LTD. が展開する免税店です。
これはJALUXのみならず海外国際空港における本邦初の免税店舗の取り組みとなります。
同国ハノイ市にあるノイバイ国際空港の国際線新ターミナルが供用開始となり、2016年1月、出発エリアに2店舗、到着エリアに1店舗を開業しました。
その後、2017年5月に、同国中部のダナン市にあるダナン国際空港の国際線新ターミナル供用開始を受け、出発エリアに2店舗開業し、現在ハノイ・ダナン両国際空港合計で5店舗の運営を行っております。
開業当初は「日本ブランド」商品（酒類、食品類、化粧品、たばこ、時計、雑貨類）の販売が中心でしたが、需要の高まりを受け国際ブランド商品（たばこ・酒類等）の販売も行うようになり、中国人・韓国人・ベトナム人の他、アジア諸国を移動される日本人の方の購入も増えました。
Ha Noi West Store
Da Nang South Store
2. JALUX と免税事業
JALUXは、以前より日本航空株式会社の機内販売やDFS Holdings Limitedと合弁での成田国際空港ならびに東京国際空港（羽田）への免税店舗展開、国内他国際空港への免税品供給、売り場デザイン立案からの店舗プロデュース、ブランドの日本国内免税市場に関する代理店権の保有等、幅広く免税事業を展開しております。
開業に際しては、ブランドの誘致計画および交渉、フロアプラン策定、店舗・什器（じゅうき）のデザイン立案、資材調達、社員研修、システム構築等、JALUXグループが長年の事業展開から蓄積してきた経験や知識を活用しました。
3. ベトナムでは
私は、合弁企業の中で唯一の日本人として、さまざまな場面でベトナムの素の部分にじかに接しながら刺激的な日々を過ごしております。
日々の業務遂行に当たり、日本とベトナム両国の株主への利益還元はもとより、JALUXグループの結集による日本式の効果的な店舗運営や、上場会社子会社としての企業統治の確立を目指し、社員が日本資本との合弁企業で働いていることに誇りが持てるよう、尽力しております。
一例を挙げますと、日本のおもてなしに関する研修を実施した際、通常ベトナムでは日本式の接遇に接する機会が皆無に近いことから、社員は非常に興味を持ち、それを提供することで他社との差別化が図れることを理解しました。経験をしたことがないことを理解し、体現することは短時間では非常に困難ですが、それが働く社員の誇りとなり、企業価値向上の一助につながると考えております。
免税店のビジネスは、基本的に同じ商品を同じ価格で各社販売していることから、差別化が困難とみられております。弊社では他社にない日本産品の商品がございますが、たばこや洋酒の販売も大きな割合を占めます。お客さまに選んでいただける購買体験を安定して提供できるよう、商品構成・店内環境の整備だけでなく、継続的に社員教育を進め意識を高めることで、JALUXブランドの免税店をベトナムで定着させ、近い将来ベトナム内外他国際空港でのさらなる店舗展開を進めてまいります。
事務所員集合写真
研修中の様子